『恋文の技術』
|
読後の感想
研究のために京都から能登にやってきた
大学院生の守田一郎が、ベンチャー企業を興すため
恋文の技術を獲得するという
なんとも回りくどい目的のためのオムニバス形式の
体を取っている小説です。
いわゆる往復書簡形式の片方だけが書かれており
無意識のうちにもう一方を想像する楽しみが隠れています。
さらに、内容から登場人物の性格まで透けてしまう文体模写というのか、
文字だけで相手との関係性まで分かってしまうのが面白いところです。
日付と内容をエクセルでまとめる読書会的読み方
by gimuraさん
森見登美彦の「恋文の技術」読んでます。文体が多様で技術が秀逸。ずっと一人称で進むのに、いつのまにか相手からのレスポンスが頭の中に浮かんできます。読み進めるの楽しみ。
— FUKUDA Shigetaka (@fukudashigetaka) 2019年7月5日
時系列にまとまるの、やりますね。読書会っぽい読み方ですね笑
— FUKUDA Shigetaka (@fukudashigetaka) July 6, 2019
森見さんの小説によく登場する
「黒髪の乙女」「パンツ番長」などのスターシステムは
(作品を横断する登場人物が出てくるシステム)は
もはや確立されたと言っていいでしょうね。
石川県民である自分には特に、舞台となる
パトリア、ミスド、恋路海岸、能登鹿島駅と
アチコチにちりばめられる聖地巡礼を誘発するパワーワードの連続
でやられてしまいました。
そして、森見さん自身まで登場人物として守田一郎にいじられるという、、、(笑
印象的なくだり
詩人か、高等遊民か、でなければ何にもなりたくない(P.105)。
スポンサーリンク