合格体験記:第2種衛生管理者試験

第2種衛生管理者試験

【総論】
第2種衛生管理者試験は、日本の労働安全衛生法に基づき、企業内で労働者の健康と安全を守るために必要な資格です。
試験会場を調べたところ、地方では試験が年に1回しか開催されないことが多かったのです。
一方、東京や大阪などの大都市圏では毎週のように試験が開催されていました。
地方に住んでいる私は受験のチャンスが少ないかなと思っていましたが、ちょうど夏休みのラオス旅行の際に東京で空港移動(羽田から成田)があることを思い出し、東京で試験を受けることに決めました。
しかし、その決断が、私にとっては非常に厳しい試験勉強のスタートとなりました。

勉強時間の確保に苦労
仕事が非常に忙しい時期に差し掛かり、勉強時間を捻出することが最も苦しい課題となりました。
1日30分の勉強時間を確保することさえ困難で、土日も仕事が入ってしまうため、まとまった時間を勉強に充てることができませんでした。
初めのテキスト読み込みは、1日2章進めるのが精一杯で、テキスト一冊を読むのに17日もかかってしまいました。
このペースでは合格が難しいと感じ、次第に焦りが募りました。

インプットとアウトプットのバランス調整
テキストの2周目に入ったときは、ようやく内容が頭に入りやすくなり、テキスト一冊を7日で読み切ることができましたが、依然としてアウトプット、つまり問題演習に十分な時間を割けないことが不安材料となっていました。
過去問演習に入る頃には、試験日までの時間が迫っており、焦りとプレッシャーが増していきました。

模擬試験での挫折
試験の12日前に過去問を試験形式で解いてみたところ、関係法令で3点/10点、労働衛生で6点/10点、労働生理で5点/10点で合計14点と、合格ライン(18点)には程遠い結果でした。
この時点で、合格は「ちょっと無理」だと感じました。
しかし、諦めるわけにはいかず、毎日すきま時間を必死に捻出し、過去問の解説を読み込み、間違えた箇所を中心に復習を繰り返しました。
結局試験勉強はやるしかないんで、やりました。「超」やりました。

ようやく合格点が見えてきた
試験1週間前の8月15日には再度過去問を解き直し、なんとか合格ラインに達する点数を取ることができました。
しかし、確実に合格できる、まで道のりは険しいものでした。
試験3日前の8月20日と試験当日にも過去問に取り組み、ようやく自信が持てる回答だけで合格点が取れるようになってきました。
結局実務の試験は、合格すればいいというものではなく、その後の実務で使えるレベルの知識がないといけないと感じていました。

合格を目指す人へのアドバイス
試験に合格するためには、計画的な勉強と復習が重要です。
特に、法令部分は自身の会社に当てはめて考えると理解が深まります。
また、過去問の反復演習と復習に時間をかけることで、自信を持って試験に臨むことができます。
最後に、試験は「基準点に達した人全員が合格する」絶対試験ですので、自分のペースで着実に学習を進めてください。

また試験勉強での最大の敵は、時間との戦いです。
特に仕事と両立させる場合、計画通りに進めることが非常に難しいです。
しかし、どれだけ厳しい状況でも、最後まで諦めずに粘り強く取り組むことが重要です。
私は何度も挫折しそうになりましたが、過去問を繰り返し解き、理解を深めることでなんとか合格することができました。
合格を目指す方も、時間の制約があっても諦めずに挑戦し続けてください。

【各論】
時系列集(思いつきから受験まで)

思いついた日は2024年7月15日。
試験会場を調べると、東京はほぼ毎週のように開催されているが、地方は年に1回とか開催が非常に少なくて愕然。
じゃあ試験を受けるためだけに東京に行く、ほどのモチベーションがあるか、と思うとそれもちょっと微妙。
しかし、夏休みとしてラオスに行く際に、小松から羽田、そして成田を経由するルートにのれば、途中で東京で試験を受けられることに気づく。
というわけで、すぐに出願し申し込んでから勉強を開始した。

使用したテキスト
書店にはテキストがいくつかあったので、読みやすさ、アウトプットとしての問題がついているかどうか、の観点で、一冊選んだ。
TAC出版、「スッキリわかる衛生管理者第2種」堀内れい子

具体的な勉強方法
やはり王道としては「テキストを読む」>「問題を解く」のインプットとアウトプットの流れで進めました。
試験問題は選択式、合格基準は「科目別最低点(足切り)」と「合計得点」で、相対試験ではなく絶対試験です。
つまり、「上位何人が合格する」試験ではなく「基準点に達した人全員が合格する」試験だということです。
勉強計画を立てた段階では、インプットとしてテキスト読み込みは2周し、1周目は大枠を掴むため理解中心でさらっと読み、2周目は暗記を中心にきちんと時間をかけました。
また公表されている過去問が少ないため、本番と同じ環境で過去問題をといて、全ての選択肢について、正誤判定をしていく、という方式をとりました。
つまり過去問は問題を解く時間よりも、解説を読む時間、暗記をする時間を多く取るようにしました。
実際に問題を解いてみると、あやふやな知識が原因で間違えることも多かったため、その際にはテキストに戻ってきちんと正しい知識を覚えるようにしました。

インプット期
受験申し込みをしてから本格的な勉強を開始しました。
このころ仕事がめちゃくちゃ忙しい時期で、1日30分を捻出するのもしんどい時期だったし、土日も当然のように仕事をしていました。
そんな状態のまま勉強してても、正直言ってなんとなく読んでいた感じだった。
1日2章くらいしか読み進むことができず、テキストを一回りするのに17日くらいかかってしまった。
それに比べて、2周目はわりとサクサク読めたので、テキスト一回り7日で読み切りました。
この期間がインプット期です。

アウトプット期
インプット期の後半から問題を解くいわゆるアウトプットも始めました。
過去問はテキストに別冊でついていたもの1年分と、「一般社団法人新潟県労働衛生医学協会」が公表しているものを使いました。
https://www.niwell.or.jp/education/labor/exam.html

なぜか公式が出している問題は、問題の横にいきなり正解が記載されているため勉強には不向きでした、なんでやねん。
https://www.exam.or.jp/lc_r061/LC20241115.pdf

実力の推移
本番が8月23日に対して、12日前の8月11日に過去問を試験と同条件で解きました。
関係法令3点/10点、労働衛生6点/10点、労働生理5点/10点で、合計14点/30点
でした。各科目最低4点かつ、合計18点は必要なので、この時点では不合格であったと言うことです。
その時点実力がはっきり分かり、これはまずいと思いました。

その後、4日かけて復習し、8月15日に再度過去問を解き直しました。
関係法令7点/10点、労働衛生6点/10点、労働生理8点/10点で、合計21点/30点
ようやく合格点に達しました、しかし適当に書いたものも正解してしまっていたので、参考程度にしておきました。

8月20日に3回目の過去問を解きました。
関係法令6点/10点、労働衛生8点/10点、労働生理9点/10点で、合計23点/30点
最後に試験日当日の8月23日午前中にもう一度解いた結果
関係法令8点/10点、労働衛生9点/10点、労働生理7点/10点で、合計24点/30点
その中で勘ではなく、確実に解けた問題は
関係法令4点/10点、労働衛生7点/10点、労働生理6点/10点で、合計17/30点でした。

つまり、合格点18点に対して、確実に17点取れて、残りの13問は50%の確率で正解まで辿り着けていました。
このように取れた点数を逆算することによって、妙な安心感を持つことができたので、自信を持って受験し、そしてそのまま海外に旅立ちました、とさ。

合格までにかかった時間
Study Plusで時間を記録していました。
合格までにかかった時間の合計は、24時間15分です。
7月22日の週:2時間15分
7月29日の週:6時間15分
8月05日の週:6時間23分
8月12日の週:5時間45分
8月19日の週:3時間38分

どっとはらい。

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「nontilte」Season1 第1話の感想

「nontilte」Season1第1話の感想
YouTubeの番組「ノンタイトル」シーズン1第1話を見た感想をまとめました。

2022年4月27日プレスリリース
https://www.yumobile.co.jp/news/yuc20220427

<引用>
Y.U-mobile株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:鹿瀬島 礼、以下「当社」)は、当社が提供するMVNOサービス『y.u mobile』において公式スポンサーを務める、YouTuberのヒカル、格闘家の朝倉未来がタッグを組んだYouTube新番組「Nontitle~この1000万あなたならどう使う?~」(以下、「当番組」)が明日4月28日(木)19時より公開することをお知らせします。
 当番組は、事業立ち上げを目指す若者たちが、3か月間ひとつ屋根の下で事業を作り出す新しいカタチのドキュメンタリーショーです。一般公募から選出されたメンバーが事業を生み出すべく、事業計画を立案し、最終話ではヒカルと朝倉未来が実際に事業への投資を行うかどうかを判断するまでを追っていきます。
 多くの有名クリエイターと事業展開を行う株式会社サムライパートナーズが制作に携わり、明日の当番組公開に先駆けて、本日4月27日(水)に制作発表会が開催されました。制作発表会では、みなさまより当番組への熱い期待が寄せられました。
 当番組は、いよいよ明日4月28日(木)19時から公式YouTubeチャンネルにて公開されます。

今回のエピソードでは、6名の出演者(男性3名、女性3名)が登場し、それぞれのキャラクター設定や役割分担が鮮明に描かれています。

出演者のキャラクターと役割分担
登場人物の中には、明確に分かりやすいキャラクター設定が施されている人物がいます。例えば、3枚目のキャラクターが一人おり、他のメンバーとは異なるユーモアと親しみやすさ、そしてムードメーカーのような役割を担っていました。
また一方では、クール系の雰囲気を醸す人もいて、チーム全体の雰囲気をコントロールする意図が感じられます。
これらのキャラクター設定は、見ている側にとっては各メンバーを識別しやすくし、番組に対する親しみを深める助けとなっています。

舞台設定とロケーション
番組のロケーションは、一目見ただけで鎌倉だと分かるような風景が広がっています。目の前に国道があり、その前に海が見えるというロケーションは、鎌倉の特長的な景観を映し出しています。この美しいロケーションが、番組の雰囲気を一層引き立てています。

ここでした

UMITO YUIGAHAMA
https://umito.jp/kamakura-yuigahama/
運営会社は堀鉄平さんの堀塾です。
いわゆるシェア型の販売で、1棟まるまる持ち分全部なら13億8000万円だけど、利用権だけなら、年間10日で980万円で持ち分は36分の1。
それでも高いけどね。

チーム分けとリーダーシップ
第1話の大きなミッションの一つとして、6名の出演者を3名ずつの2チームに分け、それぞれにリーダーを決めるというタスクがありました。全員がオーディションを経て出演していることから、各自の自己主張が強い中で、どのようにリーダーシップを発揮するかが見どころとなっています。

特に注目すべき点は、支配型リーダーではなく、調整型リーダーであるサーバントリーダー型の人物が存在することです。このタイプのリーダーは、チームメンバーの意見を尊重しながら全体をまとめる役割を果たしており、視聴者としても安心して見ていられます。

「会社経営」に対する疑問
番組内で触れられている「会社3社経営」といった自己紹介には疑問を感じました。日本のビジネスシーンでは、経営している会社の数をアピールする風潮がありますが、私個人としては、会社の数よりもその経営状態が重要だと感じます。たとえ会社が何社あろうと赤字経営では意味がなく、黒字経営であることこそが評価されるべきではないかと思います。

まとめ
「ノンタイトル」シーズン1第1話は、出演者6名のキャラクター設定や役割分担が明確であり、舞台となる鎌倉の美しい景観も相まって、非常に楽しめる内容でした。チーム分けやリーダーシップの取り方など、番組の進行においても興味深い要素が多く、今後の展開が楽しみです。
また、ビジネスにおける価値観についても考えさせられる内容でした。次回以降も期待して視聴を続けたいと思います。

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タイミーの「事業計画及び成長可能性に関する事項」を読んでみました

タイミーの上場に伴い、「事業計画及び成長可能性に関する事項」という資料を閲覧しました。普段知らなかった情報が多く掲載されており、大変有意義でした。
この資料には、タイミーのビジネスモデルやその成長可能性に関する具体的な内容が含まれています。

https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20240723553129/

タイミーとは、いわゆるマッチングサイトの求人版と言えるもので、クライアントが「働いてほしい時間」だけ単純労働をする人を雇用し、ワーカーは「働きたいときだけ働く」というニーズを繋げたサービスです。
この説明を聞くと、非常に合理的で素晴らしいサービスのように聞こえますが、実際には労働者側にスキルがほとんど付かないため、長期的には雇用側に非常に都合の良いシステムになっていると考えられます。

このサービスが提供する労働の多くは、教育が必要ない誰でもできる作業ばかりであるため、働き手が付加価値を付けることが難しい仕組みになっています。
これを象徴するのが、資料の11ページに記載されているクライアント属性の分析です。
そこには、梱包やピッキング、検品といった単純作業が44パーセント、飲食関連の作業(バッシング、オーダー、洗い場、配膳など)が26パーセント、さらにレジ打ちや品出し、陳列が21パーセントと、多くの仕事が誰でも容易に代替可能な作業であることが示されています。(個人的には、レジ業務を一時的なワーカーに任せることには不安を感じますが。)

12ページには「労働者不足を解決する」とありますが、現実には、機械に代替可能な作業において自動化が進むまでの一時的な雇用の調整弁に過ぎないのではないかと思います。
このような状況をタイミーも理解しているようで、資料の20ページあたりでは1枚のページを使って「正社員」と「タイミーワーカー」の仕事の違いを説明しています。
このページでは、雇用形態による格差が浮き彫りになっており、正社員と単純作業を担当するタイミーワーカーの間に大きな違いがあることが示されています。

さらに、私が特に驚いたのが資料の10ページに掲載されているワーカーの属性です。
40代以上のワーカーが全体の47パーセントを占めているという事実は、非常に衝撃的でした。
私はてっきり、スキルがない10代や20代の若年層が主流だと思っていましたが、実際には40代以上のワーカーが半数近くを占めていることが明らかになりました。
この40代以上の層は、たとえ子育てなどで10年のブランクがあったとしても、社会に10年以上出ている経験を持っているはずです。こうした層が単純作業に従事している現実に、私は恐怖を感じました。
いわゆる「氷河期世代」も含め、この現象は日本社会における重大な問題を示しており、かなりのディストピアが来ているのではないかと危惧しています。

タイミーのビジネスモデルは、確かに現代社会のニーズに合致したものであり、多くの企業や働き手にとって便利なシステムです。
しかし、その背後には労働者側に不利な条件が存在し、社会の格差を助長する可能性があることを認識しなければなりません。
短期的な解決策としては有効かもしれませんが、長期的な視点で見た場合、このような雇用形態が社会に及ぼす影響について深く考える必要があるでしょう。タイミーを利用する企業側とワーカーの双方が、持続可能な社会のためにどのようにこのサービスを活用していくべきか、今後の課題として注目されるべきです。

どっとはらい

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『平場の月』

朝倉かすみ『平場の月』

読後の鑑賞
物語の冒頭からネタバレで始まる。50代の男女、須藤葉子と青砥健将の悲恋模様だ。さらに、須藤は物語の最後で亡くなることも明かされている。これは、裏表紙のあらすじに「須藤が死んだ」と書かれているので、ネタバレではない。つまり、読者はこの恋愛が最後はバッドエンドになると分かっていて読むのだ。辛いけれども引き込まれる。

50代の男女が中学の同級生で、お互いバツイチ。このような関係は「平場」という言葉がぴったりだ。しかし、40代の私には多くの共感できる描写があり、心を揺さぶられた。須藤は子供もおらず、友人も少なく、荷物も少ない。そんな人が亡くなると、その人のことを覚えている人がいなくなるのは本当に悲しい。

本書の目次は全て須藤のセリフで構成されている。読み終えた後に目次を見ると、そこには須藤が生きてきた証が残っているのだ。この本は、20代の頃の私が読んでも響かなかっただろう。なぜなら、その頃は身近な人が亡くなる経験が少なかったからだ。しかし、年齢を重ねるとやや多くの別れを経験し、現在の関係が永遠ではないことを痛感するようになる。
須藤の「ちょうどよくしあわせなんだ」は何度も反芻した。

情熱的でも駆け引きでもなく、少しだけ傷ついた男女が寄り添って生きていこうとする様が、あっけない終わりを迎える。
別に特別なことがあるわけではない、二人で話すシーン、食事をするシーン、時々携帯電話のメールを送るシーンなど、どれを切り取ってもドラマになるようなものではなく淡々とした日常だ。
だからこそ、日常を生きる姿を美しく感じた。

印象的なくだり
須藤は終始ウーロン茶のグラスを指で叩いていた。苛立つというより、もどかしげだった。須藤は、須藤のちいさな世界の話が、他人からすれば退屈なものだと知っているようだった。それでも須藤にとっては生活に密着した重要な世界で、ひととおりの愛着もある。だから、ちょっとはひとに話してみたく、どうせなら正確に伝えたく、結果、思った以上にくわしく説明してしまう自分自身をもてあましているようだった(P.046)。

不定形の「案件」がかたちを持ち始めたように思った。おれは須藤と一生いくのか。そんな言葉が胸の底に潜っていった。問いかけだったが、疑問符は付いていなかった。ルートは見えていた。すごろくみたいなチェックポイントを越えていったら、出現したルートだった。アイドリングから走行へと自動的に切り替わり、夢中で走っているうち、友人ルートも、別離ルートも消えていた。ひらけたのは、離れがたいというルートで、ふたつの藁の束を絡み合わせて丈夫な縄にしたような、そんな手応えが青砥にあった。たぶん愛情というやつだ(P.206)。

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東野圭吾の小説『私が彼を殺した』を69ページから96ページまで読みました。

東野圭吾の小説『私が彼を殺した』を69ページから96ページまで読みました。

今日の簡単な感想
駿河直之の章では、彼が浪岡準子に惹かれていたが、穂高誠を紹介したことで振られる展開が描かれています。
同じく雪笹香織の章では、彼女も以前穂高誠と交際し、神林美和子を紹介したが振られた経緯が浮かび上がります。
興味深いのは、駿河と浪岡、雪笹と神林の関係がパラレルに進行しており、東野圭吾が緻密に描く人間関係が小説の魅力となっています。
この巧妙な構図が物語に深みを与え、読者にとって引き込まれる要素となっています。

どっとはらい
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