『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
あらすじ
物語の舞台は、19の州が連邦政府から離脱し、アメリカが内戦状態に陥った近未来。
テキサス州とカリフォルニア州が同盟を結成した「西部勢力」と、3期目に突入した権威主義的な大統領が率いる政府軍との間で激しい戦闘が繰り広げられています。
大統領は「歴史的勝利が近い」と国民に訴えるものの、実際には西部勢力がワシントンD.C.まで200kmの地点まで進軍し、政府軍は劣勢に立たされています。
この混乱の中、ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリスト—戦場カメラマンのリー(キルスティン・ダンスト)、記者のジョエル(ヴァグネル・モウラ)、ベテラン記者のサミー(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)、新人カメラマンのジェシー(ケイリー・スピーニー)—は、14ヶ月間一度も取材を受けていない大統領への単独インタビューを試みるため、ホワイトハウスを目指します。
彼らの旅路は、内戦の激戦地を通過する過酷なもので、各地で戦闘の惨状や市民の苦悩を目の当たりにします。
途中で仲間を失いながらも、彼らは使命感に突き動かされ、ワシントンD.C.へと進みます。
最終的にホワイトハウスに到達し、大統領との対面を果たしますが、そこで待ち受けていたのは、さらなる衝撃的な結末でした。
閲覧後の感想
109分の中で最も印象に残ったシーンが、赤いサングラスの男ことジェシー・プレモンスのシーンでした。
キャスティングとしてクレジットもない彼の役が、この作品の中で最も印象に残るアメリカ人的なアメリカ人でした。
要するに、名もなき市民は内戦になったらこのように振る舞うであろうという意味合いなのか、非常に恐怖を感じました。
赤いサングラスの男の登場シーンは後半部分でした。
どうみても虐殺されたであろう大量の死体が穴に放り込まれているという「頑張っても正気じゃいられない状況」が作り上げられている横で淡々と主人公たち(そしてその友人たち)に「お前はアメリカ人か?」と銃を向けながら問う赤いサングラスの男。
本当にどこにでもいる隣人のような赤いサングラスの男は、特に何の演技もすることなく淡々と振る舞っているのが、本当に怖かったです。
戦闘とほのぼのシーンが交互に挟まれ、その中で主人公たちの絆が深まっていくという典型的な構成なのに、この赤いサングラスの男が全てかっさらっていってしまいました、本当にすごい。
あと最後にホワイトハウスに突入するシーンは微に入り細に入り丁寧に描写されています。
戦争は本当に人を凶器に変えますね。
この映画を見ながら、何かに似ているなぁと思っていたのですが、見終わった後に「高い城の男」だと気が付きました。
どっとはらい
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