自分の仕事を「定義しなおす」こと

最近、富裕層の資産管理をすることを職業とする「ウェルス・マネージャー」を本を読みました。
日本だと余り一般的ではありませんが、富裕層相手にする仕事は、学びも多いため非常に興味を持って読んでいます。

まだ途中ですが、非常に自分の仕事に当てはまることがあったため、軽くまとめようと思います。

それは、最初の難関は「顧客から信頼されること」である、ということです。
財産を管理する仕事なのでてっきり租税知識とか為替知識かと思いましたが、そうではなく「信頼を得ること」が一番難しいとのことでした。
具体的には、まずは顧客からの信頼を得るために2年間の研修プログラムを経て、小さな約束を守ることを積み上げます。
そのような過程を経て信頼を得た後に、初めて資産を預けてもらえるのです。

しかし、信頼を得たあとは今度は「ウェルス・マネージャー」自身の職業的葛藤、自己矛盾が生まれるそうです。
どういうことかというと、ウェルス・マネージャーの大きな仕事の一つとして「どうやって顧客(富裕層)の税金の課税を回避するか」があるのですが、その課税回避をしたところで、社会的な名声や貢献が得られるわけではないのです。
その結果いわゆる「何のために私はこの仕事をしているのだろうか」的な感じになるそうです。
しかしながら、富裕層に共通する最大の心配事は「税金」なので、顧客の希望を叶えるならば、税金回避は必至なわけです。

そこで、その矛盾を回避するために、税金を「怠惰な貧困者に給付を行う目的の」「富裕層を狙い撃ちした国家の法外な要求」と定義しなおすのです。
そのうえで、「良い市民であるためには税金の仕組みを正しく知らなければならない」と、自分たちの仕事を正当化をしなければなりません。
そうしないと、自分の職業的矛盾に押しつぶされてしまう、ということです。

自分もたまに「なんのためにこんなことやってるんだろう」を焦燥感に似た虚しさを感じることが多々あるのですが、辛くなる時は、自分の仕事の定義を見直す視点も持ってみようと思いました。

どっとはらい。

スポンサーリンク