『これからの会社員の課題図書』
田端信太郎
目次
1、なぜビジネスパーソンが読書すべきなのか
2、自分を強くするための読書技法
3、田端信太郎の読書遍歴
4、令和時代を生きるための課題図書
読後の感想
リクルートでフリーペーパーのR25を立ち上げLINEの執行役員と、てっきりアピール上手なインフルエンサービジネスに長けた人かと、割り引いて手に取りましたが、ごめんなさい、最近読んだ本の中でも非常にいい本でした。
自分が、本書のターゲットど真ん中であることを考慮しても非常に読みやすくて、分かりやすい一冊です。
自分をきちんとブランディングすることを目指し、読書を武器と捉え、行動を促していく。
これからのビジネスパーソンが成功するために、基本に忠実な一冊で、いわゆる一発逆転を求める本ではありませんでした。
オンラインサロンには入りませんが、ファンになりました。
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印象的なくだり
ぼくが出している課題は、小学校での読書感想文のように、1冊を通読してどこが良かったかを書くというような宿題ではありません。
本はきっかけに過ぎず、あくまでもそこから自分が得たもの、考えたことをプレゼンせよ、という話です。
それに対して「時間がなかったので読めなかった」というのは言い訳になりません。
もし本当に忙しくて、1か月に5分間しか読書する時間がなかったのだとしても、その5分間で読める分だけを、あたりをつけて読み、それをもとに自分なりの考えを構築していけばいいわけです。(P.19)。
自分も部下に対して本を読むように諭すことが多いのですが、一番多い反論は「時間がない」というものです。
でも、時間がなければないで、ないなりにその時間でできることを出してもらえればフィードバックできるのに、と思っていました。
仕事を振る時だって、時間がないならないなりに成果物を求めるので当たり前のことでしたね。
「本を読んでも実際のビジネスに直接役立つことは少ない。だから本は読まない」という人もたまにいます。
その考え方もわかりますが、それは先に述べたように目の前しか見ていない考え方です。本の中から普遍的な知識、ものの見方、考え方など、今現在のビジネスにも援用可能なものを抽出できることはたくさんあります。
読書のビジネスへの効果としては、まず失敗をしにくくなります。
量子力学の父として知られるデンマークの物理学者、ニールス・ボーアの言葉に、「専門家とは、特定の領域において起こりうる、すべての失敗を経験した人である」というものがあります。
本を読んだからといって、確実に成功できるとは限りません。
けれども本を読めば、「こういうときに失敗しやすいのだ」「これは失敗パターンだ」というのは、確実にわかります。本を読んでいない人と比べて、失敗を先回りして回避できる。(P.27)。
1回目の夏しか経験してない人と、厳しい冬を越えた経験をした後に、次の夏を迎えた人とでは、ビジネスマンとしての強さが全然違うのです。(P.59)。
大事なことは公開情報の中に埋もれている
ビジネスでも、投資でも、ほとんどの大事なことは、公開情報の中に埋もれているのです。
それに気づけるかどうかが、成功者とそうでない人の差です。
よく、ビジネスや投資の世界で成功している人を見て、うまくやっている人は、特定の人しかアクセスできない秘密のインサイダー情報を持っているのだと言われますが、そんなものはありません。
自分が行動していないから、そういう幻想を持つわけです。
そうしないと、本当はみんなにチャンスが開かれているのに、自分は行動できなかったことを認めることになるからです。(P.201)。
この手の話を読むといつも思い出すのが、「ジパング」という漫画の一節です。
新聞に公開されているような何でもない情報を組み合わせて仮説を組み立て、真実にたどり着くというものです。
秘密のインサイダー情報みたいな、雲を掴むような話は現実には落ちていません。
誰でも手に入る一般的な情報をもとに考えを組み立て行動していく行かないのです(自戒を込めて)
もしきみが、誰かから「あなたのことがわかるように、自分を表すバンパーステッカーをつくってください」と言われたとして、思いつかなかったり、4ワードぐらいの短い表現にできなかったりしたら、きみにはまだ世間における「ポジション」がないということです。
そうであるなら、キャッチーで、周りからイケてると思われるようなきみだけの肩書を考えていこう、というのが本書のスタンスです。
たとえば、こんなものがあります。
まず、友達の知り合いのリストから、“クレイジーなやつ”を3人、ピックアップします。
この本では、名刺ホルダーの中から選ぶと書かれていますが、今であればSNSの友達リストでもいいかもしれません。
そして、その3人に連絡して、2週間以内に3人とランチします。
そのうえで3人に、「自分にもし、めちゃくちゃクレイジーな肩書をつけるとしたら何がいいか」を聞いてみる。
そこで出てきた肩書の中から、いちばん気に入ったものを、自分の名刺に使えばいい、といったような個性的なトレーニングです。(P.207)。
わたしくは「旅する読書家」ですが、最近旅していません。
肩書き詐称じゃないのか、、、。