月: 2018年5月
「デザインあ」展 @富山県美術館 へ行ってきました。
ムスメのエコ勘違い
『ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術』
『ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術』
熊野整
読後の感想
この本はすごい。いまだかつてこんなに著者の顔が見えるエクセル本はあっただろうか。
例えばインプレス社のできるシリーズなどの万人に受ける方向性とは違い、読む人を選ぶ本ですが、はまった人はばっちりハマる。
エクセルを表計算としてではなく、思考の整理ツールや言いたいことを代弁してくれるものとして使っているのだなぁ。
エクセルで計算ミスしないために徹底する3つのポイント
1つ目は、シンプルでわかりやすい計算の徹底。
できるだけシンプルな計算をすることです。
(中略)
2つ目は、計算チェックの徹底です。
(中略)
3つ目は、チームワークの徹底です
これについては、みなさんもあまり意識していないかもしれませんが、計算ミスは個人の作業ミスに起因するよりも、チーム内のコミュニケーションのまずさから起きることが多いんのです(P.081)。
この一文にすべて表されていますね。すごいなぁ。
印象的なくだり
他人が作った表は、中身のデータを検討する以前に、「表のどこに、何が計算されているのか」、すなわち表の構造を把握することに労力を取られがちです。
その結果、人が作ったエクセルを見ると、ストレスを感じることが多いのです(P.015)。
行の高さ(縦幅)は「18」
エクセルのデフォルト(初期値)の行の高さ(縦幅)は一般的に「13.5」です。
この高さのまま表を作ると、行間に余裕がなく、詰まった感じになります。
そこで、正しいフォーマットでは、行の高さを「18」にします。
「13.5」から「18」に変えるだけで、文字の上下にゆとりができて、文字が見やすくなるとともに、洗練された印象の表になります(P.022)。
フォントは、英数字は「Arail」(P.026)。
本当に大したことではないように書かれていますが
体裁を一定の形に整えることの重要度は割と後のほうになってから気づきます。
エクセルの基本形って大事。
表の境を明確にするために最上部と最下部には太めの線を引きます。
そして表の中は、最も細い破線を横にだけ引きます(P.039)。
文字は左ぞろえ、数字は右ぞろえ(P.042)。
エクセルで表を作るときには、ワークシートの左上端にあるセル「A1」から始めることが多いようですが、正しいフォーマットの表では「B2」から始めます。
「A1」から始めた表は、画面で上の線が見えませんし、表の左側にもゆとりがありません。
これに対し、「B2」から始めると、上に1行、左に1列分の余白ができ、上の罫線が見えて表の範囲をつかみやすくなります(P.046)。
数字の色は3種類(重要!)
①ベタ打ちの数字 青
②計算式の数字 黒
③他シートを参照 緑
④ベタ打ちと計算式が混じった数字 やってはいけない!(P.049)。
よく、「このファイル、確認をお願いします」というメールにファイルを添付して送ってくることがありますが、これはやめましょう。
メールを受け取った側にしてみれば、添付されたエクセルファイルが最新のものかどうか、わかりません。
メールを送った後にファイルを修正することもあるからです。
エクセルファイルを共有するときには、常に最新のファイルを全員で共有することが大事です。バージョンのずれが生じないように、ネットワーク上で共有フォルダ―を決めて、そこに最新のファイルを置いて共有する、という方法を徹底しましょう(P.114)。
野口教授も指摘されていた最新版が分からなくなる問題です。
何度も何度も推敲するタイプの作業だと本当に致命傷なのです。
『22年目の告白』
ややネタバレです。
「22年目の告白」
鑑賞のきっかけ
映画館で予告編で見て興味を持っていました。
予告編でいきなり殺人犯と自称する曾根崎雅人(演:藤原竜也)が「はじめまして、私が殺人犯です」と記者会見するシーンがとても印象的でした。
長らく「いつか見る映画リスト」に入っていたのですが、タイミングが合ってようやく見ることができました。
鑑賞後の感想
個人的にいま一番好きな映画監督の一人である入江悠監督の作品です。
現代社会派サスペンスらしく、ツイッター、Youtube、ニコニコ、とあらゆる方向に情報が拡散していき、どんどん主題がぶれていく姿が非常
に皮肉的に描かれていました。
5件の連続殺人事件が起こったのは1995年。阪神大震災の実際の映像を差し込みながら、過去の事件を振り返っていました。おそらくカメラを変えているのか、22年前を描くシーンは画質も粗くて、昔風の臨場感たっぷりでした。プロットうまいなぁ。
殺人の様子を最も親しい人に見せながら殺害するといった倒錯した殺害方法を好む犯人に家族を殺された遺族たち。それによって心理的にトラウマを受けた遺族たちは、22年経った現在でも、感情が引き続いている姿が痛々しく描かれています。
その遺族たちはそれぞれの立場を保ちつつも、互いに連絡を取り合い、慰めあっている姿はどこかしら、拉致被害者の家族団を連想させました。
主人公の刑事牧村航(演:伊藤英明)は過去の殺人事件の捜査担当者であり、かつ先輩を失ったという被害者側でもある立場。その難しい立場からか、曾根崎を憎む描写よりもどちらかといえば抑える側に回るほうが多い役回りです(と、思っていたら後でビックリが)
いわゆる殺人事件の時効(公訴時効)によって自称殺人犯を裁けない非難に対して、殺人犯の自伝を出版をする出版社も、「私たちが裁きましょう」と声を上げるニュース番組のキャスター仙堂俊雄(演:仲村トオル)も、vs表現の自由という対立構造では同じなのですが、ちょっと皮肉な描き方でしたね。
社会巻き込み型の殺人事件で、証拠が散逸している中、見ている観客も真実がなにか分からない、という点は、『白ゆき姫殺人事件』を少し思い出しながら見ました。
ラストシーンは、恨みを晴らした、という解釈でいいのかなぁ、きっと。
小ネタとして岸美晴(演:夏帆)の家に、かえるのピクルスありましたね、かわいい。