不思議の国ニッポン〈Vol.13〉中流国家ニッポン
角川書店
ポール ボネ
読後の印象
在日フランス人の筆者との触れ込みだが、実は日本人の書いた作品で、偏った日本人観が時折垣間見れる作品です。特にペンクラブや一部メディアに対する反対については若干感情的かなと思われるくだりもままありました。同属嫌悪かと。
かなり保守的な考え方が強く現れています。
しかし、書いてあること自体は、昔の作品にしては先見の明アリと思わせるところも多いです。特に自由競争についての考え方はなかなかのものです。
印象的なくだり
少数派が多数派に対して”反対”を唱えるならば、単に多数派の横暴を訴えるだけではなく、多数派の論理を論破するだけの根拠を持たねばならない。
また”反対”の声を挙げることによって、その声が何等かの影響を及ぼさなければ意味がない(P193)。