遭難フリーター
岩淵 弘樹
太田出版
読後の感想
興味本位で手に取りました。
フリーターというよりも派遣労働(もっといえば期間工に近いかも
派遣会社と契約し、工場に派遣される。
派遣会社が借りた家に住んでるため生殺与奪を握られ、勝手に鍵を開けて入ってくるという
(もちろん違法です
中身を読むと特に仕事内容については書かれていません。
というより書けないのだという。書くほど内容がないからだと。
著者はそれなりに仕事に対して責任感を持っている人なのにそれでも書けない。
その焦燥感や無力感が、書けないことを通じて苛立っているのがよく伝わってきました。
ときおり出てくる元カノの話はなんだろうなぁと考えていたが
元カノが今の彼氏と分かれそうになったり元に戻ったり、また別れたりという
流れがないと、本のなかの出来事の時系列がしっくりこないからだと感じました。
つまり、仕事の内容も感想も最初から最後まで何にも変わらないのだから・・・
著者のように一度このような生活をしてから元に戻れる人はどのくらいいるのだろうか。
いわゆるメタ認知ができていないと危ういことに気づかないのかもしれないなと強く感じました。
それにしても副題のタイトルが生かしてる。
A Permanent Part-Timer In Distress。
フリーターの正しい翻訳がこれかどうかわからないが、
永続的にパートタイマーというのは自虐的で非常にしっくりくる比喩でした。
印象的なくだり
筒井康隆の『残像に口紅を』という小説では、章が進むごとに使える文字が減っていくというルールがあって、[で]とか[す]とかが使えなくなって、最後のほうでは語尾が「~じゃ」とかになっていく。
とにかく日記を書こうにも一日に何もなさ過ぎて、書くことがなくなってきている。
『残像に口紅を』と同じで、どんどん世界が閉じてしまっていくような感じだ(P050)。
本読みましたが、
作者は計画性のない人間。
ただそれだけです。
正直、正社員になる努力がみられません。
この本では派遣会社や派遣先の会社が
派遣社員に気を配っているのか分かりました。
借金も奨学金は理解・同情できますが
在学中のパチンコ浪費とは。
まずは無心に働いて借金を返してください。