『歌舞伎町と貧困女子』
ノンフィクション作家の中村淳彦さんの著作です。
この本を読むまでは、歌舞伎町は通ったことがあるけどどんな街か知らない、強いて言えばゲーム「龍が如く」の舞台、程度にしか認識していませんでしたが、読後に実際に行ってみたりしました。
で、書いてあることと実際と照らし合わせて、なるほどと思いました。
インタビューされる人の内容が基本的にぶっとんでいるため、なかなか頭に入ってこない話ばかり続きました。
別にインタビュアーのせいではありませんが、私の想像力にも限界があって話に付いていくのも大変でしたが、基本的なストーリーは、はじめにに書かれている通りです。
いま歌舞伎町で起こっていることは、暴力団の衰退、ホストを頂点としモテない中年男性を最底辺とする”カネの食物連鎖”の固定化、Z世代(1996年以降生まれ)の若者たちの台頭、そして「男に貢ぐ」た目に息をするように売春する女性たちの増加だ(P.003)。
これは文中でインタビューされている転貸で儲けている不動産業の崎岡さん(仮名)のインタビューが元になった文章です。
崎岡さんのインタビューでは
「いま歌舞伎町はホストクラブを頂点として、食物連鎖がうまくいってめちゃ金が回っている」
「食物連鎖」とはモテない男や寂しい中年男性を底辺として、彼らが払ったお金が
風俗嬢やキャバ嬢やアイドルやパパ活女子を経由してホストクラブに流れているということだ(P.105)。
女性たちがホス狂いになるのも、概ね計算されたマニュアルがあるそうで、自己肯定感の低い女性がホストに管理されている様子などは、読んでいていたたまれない気持ちになりました。
2018年から空前のホストブームが起こっている。
ホストクラブは歌舞伎町に約260軒、約5000人のホストが存在するとされている。
ホストは怖いですね(棒読み
男性の属性が中小企業経営者が中心のパパ活の場合、彼女だったら5万円以上は取れる。しかし、食事→ホテルというデートの形になるので時間がかかる。
長期的な人間関係を築くパパ活のほうが男性の質はいいし安全だが、大久保病院前に立っている彼女たちは”不特定多数で手っ取り早く安価”という立ちんぼを選択している(P.145)。
面白いは面白い、でもなんだか同じ日本の出来事のような気がせずに、どこかしら他人事のようにも感じるほど。
ノンフィクションでこんな感じなるのは本当に珍しい。
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