『「超」整理法』〈4〉コミュニケーション

『「超」整理法』〈4〉コミュニケーション
中央公論新社
野口 悠紀雄

読後の感想
だいぶ前に読んだものを再読。野口悠紀雄氏ほど自分の作業方法に影響を与えた人はいないと思われます。その中でもおすすめの一冊。
ファックスなどの部分は若干時代遅れになっている感はあるが、そのエッセンスは色あせないところが素晴らしいです。
時間という、不代替な資源を思考の中心としている点は見習うところが多く、また実行しやすい(実行するまでの障害が少ない)点も魅力の一つです。
まずはやってみてメリットを実感して欲しいところです。

印象的なくだり
受け手からすると、ほとんどの場合に、電話は突然である。奇襲を受けるようなものだ。発信者はそのつもりではなくても、結果としてはそうなる。実際、電話は、発信者側の勝手な事情をほぼ一00パーセント認めている。そして、受信者側の事情はほとんど考慮されない。よく考えれば、きわめて奇妙なことだ(P.015)。

相手が不在でコールバックを頼むと、こちらが拘束されてしまって、席を外せなくなるという問題もある(したがって、コールバックを頼むのではなく、「※時頃もう一度電話します」というほうがよい)(P.019)。

事務的な仕事のほとんどは、「書き写し」である。したがって、この作業を効率化できれば、無駄な時間を節約する上で、大きなメリットがある(P.080)。

人間の識別能力は、なぜ対象の属性が他次元になっていると増大するのであろうか?ミラーは、その理由を、生物の進化過程に求めている。常に変化してやまない環境では、少数の属性に関して多くの情報を得られるよりも、多数の属性に関して少しずつ情報を得られるほうが、適応性が高いというのである。たとえば、音の高さに関してはきわめて繊細な変化も関知できるが、音の大きさは識別できないような生物がいたものとしよう。このような生物は、危険が接近するのをうまく感知できないから、滅んでしまうだろう。
これを大胆かつ大雑把に一般化すれば、スペシャリストよりジェネラリストのほうがよいということである(P.098)。

「電源OFF」と大きく書いた紙がドアに貼ってあるのだが、いつの間にか風景の一部になってしまって、注意にのぼらなくなっているのだ(P.111)。

浮かんだアイディアは、すぐ消える。「こんな重要なことは、メモしなくても覚えているだろう」と考えると、大変なまちがいだ。アイディアの逃げ足は、非常に速い。「何か重要なことを思いついた」という記憶しか残らず、内容はあとかたもなく消える(P.141)。

漢字かな混じりの文章は、キーワードが漢字になっているためすぐ分かるという点で、きわめて優れた側面をもっている。このため、欧米人が苦労して練習している即読法を、われわれは誰でも実行できる(P.167)。