『野蛮人のテーブルマナー』

野蛮人のテーブルマナー

野蛮人のテーブルマナー

価格:1,050円(税込、送料別)

『野蛮人のテーブルマナー』
講談社
佐藤 優

読後の感想
タイトル買いした本で、全く内容を知らずに読み始めたのですが、非常に面白い内容でした。生き馬の目を抜くような外交の世界での水面下の駆け引きの様子、高尚な心理戦を垣間見た気がします。日常生活に取り入れられるところもあるなぁと素直に感心しました。

印象的なくだり
1回目の食事を2回目に繋げる法則
1回目の食事で、2回目の接触を確保するためにはどうすればよいか。実は相手が食事に応じたということで工作は50%成功しているのであるが、自然に次回の接触を約束するためには物の貸し借りをすることが小細工としてよく行われる。
(中略)
仮に相手が「あなたにあげる」と行っても、「そんなことはできない」と遠慮する素振りを見せ、必ず借りることだ。こちらは遠慮しているのではなく、借りた物を返すという口実で3回目の接触を確保しようとしているのだ(P019)。

モスクワのカジノや競馬場に案内したときに猪木氏にこういわれた。
「佐藤さん、人間の性格を短時間で見抜くには、一緒にギャンブルをすることです。熱くなりやすい奴、そこそこの儲けで切り上げる堅実な奴、決断ができずおろおろする奴、こういった性格は仕事にも必ずあらわれます。」(P033)。

企業や官庁の幹部は、組織の一員としては強い。また、総務部や人事課に備え付けられているマニュアルで想定された危機に対してはきちんと対処することができる。その裏をかいて、組織ではなく個人を標的にし、規格外の反撃をする。そうすれば、その後の交渉はあなたにとってかなり有利になる(P064)。

トップと会うには世界共通のルールがあります。トップにいつでも直接会える人間と友達になることです。その人間の面通しに合格して、「鈴木に会ったほうがいいよ」とトップに言わせる仕込みをしないといけない(P087)。