過料と科料

過料と科料

同じく「かりょう」と読みますが、ごっちゃにならないように「過料」は「あやまちりょう」、「科料」は「とがりょう」と読むと、ツウぽいよ。

この二つはどちらも金銭を伴う罰の一種で、法律系の試験でたまに出たりするので違いを分かりやすく、と。

前述の読み方は意味の覚え方にも通じるものがあって、「科料」の「とが」は「咎」とも書き、国語辞典なんかでは「 罰されるべき行為。罪。」と説明されていたりします。いろは歌の「咎無くて死す(とがなくてしす)」にも出てくる有名なアレですね。
つまり、「科料」には罪に対してのもの、という意味ですね。

ちなみに刑法17条で「科料は、千円以上一万円未満とする。」と定められており、罰金よりも軽い刑事罰であるということが条文上も明らかです(罰金は、15条で一万円以上と決まっています)。

「過料」の「あやまち」は 行政上の義務の履行を強制する手段として、あるいは法令の違反に対する制裁として科せられる金銭罰です。
この「あやまちりょう」の方の過料は、罪に対するものではなく、行政が政策的に課した罰、いわゆる行政罰なので、科料・罰金と違って刑事罰ではなく、刑法や刑事訴訟法は適用されません。最近よくある路上喫煙の条例などの罰は、犯罪ではないので、いわゆる「過料」です。

参考

千代田区生活環境条例
(安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例)
第24条
次の各号のいずれかに該当する者は、2万円以下の過料に処する。
(1)推進モデル地区内において第9条第1項の規定に違反し、生活環境を著しく害していると認められる者
(2)第21条第3項の規定に違反して路上禁煙地区内で喫煙し、又は吸い殻を捨てた者(前号に該当する場合を除く。)
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項第1号に該当したときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の過料を科する。