「秋山兄弟 好古と真之」
瀧澤中
読後の感想
あれ?この本秋山兄弟について書かれたんじゃないの?と読んでいて思いました。
おそらく筆者は明治時代が好き過ぎて、秋山兄弟だけではなくもっと書きたくなってしまったのでしょうね。
対象がブレブレです(いい意味で
面白い考え方だなと思ったのは、海軍学校の同期の結束力についての考え方。
いわゆる「同期の桜」などに代表される戦争中の同期の関係ですが
なぜそんなに結束力が高いのか、という理由を筆者は遠洋練習航海に求めているのです。
まぁ一理はあるのかなとも思いましたが、ちょっと無理筋じゃないの・・・・
意外と知られていない高橋是清の話
当時の世界は日露戦争はロシアが勝つと思っていたのに、高橋是清が世界各国で国債でお金を集められたのはなぜなのか?
読めば分かります(適当なまとめ
印象的なくだり
もし学問が単なる出世、単なる技術的な勉強であるとするならば、はたして学問を尊いものと考えたであろうか。
藩校の教授は、禄高が低くても殿さまに直接講話することができたり、地位としては異例の高さをもっていた(P.061)。
松方正義は明治天皇から、「お前は何人子どもがいるのか」とお尋ねがあり、「きちんと調べまして、ご報告<致します」と答えた逸話が残っているほど艶福家であったが、それだけ精力的で、エネルギーのある男だったと言えよう(P.101)。
孫引きはいかん…けど
明治人が考えた「強い自分」とは、どんな人間か。
新渡戸稲造はこう述べている。
「強き人はよく耐える、よく耐える人を強者という」(新渡戸稲造『自警録』)(P.115)。
これは合理的。
現代にも使えそうな考え方。
メッケルが言わんとした命令書の書き方について、記しておく。
「命令を記すには、第一その命令の出所を記し次に月日時刻を記すべし」
「命令には何を書くべきか。第一には一般の敵情、第二に我の目的、これを書きこめという。
そして最後には師団命令であれば、師団長の位置(某月某日、何処に在り)を記入せよと付け加えた」
発信者と発信日時がまず最初に知らせるべき内容であるのは、一つの命令がずっと有効であり続ける戦場など存在しないからである(P.136)。