レバレッジ・リーディング

レバレッジ・リーディング
東洋経済新報社
本田直之

読後の感想
 ビジネス書の読書方法についての書かれた本です。
 熟読よりも多読を進めており、累積効果に主眼が置かれています。
 自分はこの本に影響されて、本の一部をメモするようになりました。
 この本を読んだ当初は、何をしたら良いのかとそもそも迷っていた時期にあったことも手伝って、こういった即戦力とするような本の読み方に無意識のうちに抵抗感を感じていました。
 しかし、多くの本を読むことによってある程度バックボーンができると、ようやくこの人の言ってることが理解できた気がしました。
 その意味でも、この本は読んだときの自分の立ち位置によって、大きく変わるし、読むたびに新しい発見があって素晴らしいと感じています。
 書いていることはそれほど難解ではありません。
 読書する習慣の無い人に是非読んで欲しい一冊です。

 この本を読んで最も良かった点は

同じ本を読むと考え方を共有できる
自分が読んだことのある本を、他の人にも読んでもらうことのメリットは他にもあります。
同じ本を読むことで、共通認識を持つことができるのです(P071)。

の部分でした。
 全く考えたことの無い発想でした。
 これに影響を受けて、自分が良かったと思う本を友人に薦めたり、またいろんな人にオススメの本を聞いたりするようになりました。

 162ページにある本田さんのお勧め本のリストは本を選ぶときの参考にしています。

印象的なくだり

汗水たらし、血のにじむような努力をした他の人の数十年分の試行錯誤の軌跡が、ほんの数時間で理解できるよう、本の中には情報が整理されているのです(P022)。

一般的に言って、ゼロから何かを生み出そうとすれば、大きな犠牲を払わなければならないうえに、とてつもなく長い時間がかかります。
しかも成功する保証はどこにもない。せっかくの努力が、徒労に終わるかもしれません。
わたしを含めた九九%の人間は、誰か成功した人のやり方を学んで、そこに自分なりの応用を加えるのが、成功への近道だと思います。
試行錯誤に時間や労力を使うのではなく、結果を出すために時間や労力を使うことができるようになるからです(P026)。

たとえ衣食住にかけるお金を多少削ってでも、本代にかけるべきだとわたしは思っています。
なぜなら、読書は究極の格安な自己投資だからです。投資である以上、元手をケチると、リターンもたいした額にならないのは当たり前です。
みんなが本を読まないということは、逆に本を読むだけでその他大勢から突出できるということでもあります。
大きなチャンスではありませんか。基本的に人間のレベルにそれほど大差はありません。
ただ、やるか、やらないかの違いだと思います(P036)。

本当は本を読めば読むほど、時間が生まれます。
本を読まないから、時間がないのです。
なぜなら本を読まない人は、他人の経験や知恵から学ばないからです
(P046)。

まず第一に必要不可欠なのが、「目的を持って本を選ぶ」ことです。
「自分の人生の目標は何か」「現状の課題は何か」という大きな目標があれば、「今、自分にはどんな本が必要か」ということが、はっきり意識できます(P056)。

即戦力になるのは、自分にとってやさしい本、読みやすい本のほうです。
ビジネスに役立つのは、理論より、実践のノウハウということです。
したがって「教養型」の本ではなく、「経験型」の本を選ぶべきです(P060)。

何冊も読むのが無駄だとか、もったいないということではありません。むしろ逆で、複数の本を読むからこそ、重要なポイントがわかるのです。
つまり、どの本にも同じことが書いてあれば、それは誰もが認める重要なポイントだと判断できるのです。
一冊の本だけに書かれていることは、その著者個人の意見かもしれません。
しかし、もし同じことを一〇人の著者が主張していたら、それはもう原理原則と呼べるのではないか。これがわたしの持論です(P065)。

わたしは誰かと話していて、「この人はすごいな」と思ったら、「最近読んだ本で何か面白い本はありましたか?」と尋ねるようにしています(P068)。

一番いいのは、わたしが毎朝決まった時間に風呂に入りながら本を読むように、すでに生活の一部分となっている習慣と、読書とを組み合わせてしまうことです(P107)。

最重要な読書後のフォロー
本を読んだことで、早くも満足してしまうのです。
せっかく投資した時間とコストを回収するためには、これから述べる「読書後のフォロー」を行うことが絶対に必要です(P138)。

メモすることで記録に残し、実践に使ってみましょう。
メモの内容を自分の中に刷り込んでいき、習慣化することで正しいやり方を身につけたり、あるいは実践のプロセスで、メモしたことがそのままで使えるか使えないかもわかるでしょう。
そうした反復をしながら、自分の現実に合うようにアレンジすればよいのです。
そして、その洗練されたノウハウが自分のものになり、結果が伴うようになるのです(P140)。