『男の部屋の整理術』

『男の部屋の整理術』
小松易

読後の感想

会社のデスク周りを片付けているだけでは、いつまで経っても
余裕をもって仕事をすることはできません(見開き)。

こんなくだりに惹かれて読み始めました。
私めは仕事に絡められると弱いです、自覚症状あり。
最近仕事の棚卸をする機会があって、仕事系の整理術の本を読み漁っていた中で見つけた一冊です。

いわゆる普通の部屋を掃除する系の本でした、それも男の一人暮らし用の、ってあれ?

まぁ、しいて言えば

「部屋が片づいていないから」を言い訳に来客を断った経験はありませんか?
きれいになった空間には自然に人が集まるものです(P.005)。

は完全に突っ込み待ちのフリですよね。

ちなみにすぐに実行したハックは

電源を落とし、キーボードを裏返す
電源をつけっぱなしにするとメモリが消費され、数日するとパフォーマンスが落ちます。
一日の終わりには電源を落として生活にメリハリを。
キーボードを裏返しておくとホコリもたまりません(P.092)。

だけでした・・・。

印象的なくだり

モノを置く角度を90度にする
雑然として見える机は、必ず置いたモノの向きがバラバラになっています。
机のへりと平行にモノの角度を揃えて置くだけで、不思議なほど整って見えるようになり、散らからない雰囲気ができあがります(P.018)。

まぁ分からないでもないけど、雰囲気ではなくちゃんと片付けないとね。

入船・出船の習慣をつける
「入船・出船」は靴を船にたとえた言葉で、家に上がるときはかかとを内側に揃え、つま先から出ていく状態を言います。
たとえ自分の部屋でも、人の家に上がるときと同じ意識で靴を揃えましょう(P.052)。

執筆12分

『世界一やさしい不動産投資の教科書1年生』

読後の感想
不動産鑑定士が書いた不動産投資の本。
物件の基本から、税金や償却まで分かりやすく説明されていて、普通に勉強になりました。
自分の知らなかったこともあって、やっぱり奥が深いなと思います。
基本的なスタンスとしては、リスク重視型で、ローンを組まずに現金購入が基本だと勧めており、そのあたりも自分の感覚と合っていたので読みやすかったです。

特に、自分が弱い税金の分野が丁寧な記載で、本当に為になりました。

不動産投資で認められる必要経費には、次のようなものがあります。
土地・建物の固定資産税、都市計画税
修繕費(小さな修繕)
損害保険料(掛け捨てのもので、その年分のみ)
不動産会社へのPMフィー
(管理会社が委託している)建物の管理会社へ支払う管理費・修繕積立金
入居者募集のための宣伝広告費
減価償却費
借入金金利(元本は経費にならず、金利の部分のみ経費になる)
税務関係を税理士に依頼した部分のみ場合の費用
そのほかの雑費(掃除、消耗品代、交通費、通信費など)
減価償却費は、不動産を買ったときに1度に費用にしないで毎年少しずつ経費として計上するしくみです。
「建物だけが減価償却費の対象となり、土地は残念ながら対象外」です。
土地は建物と違って減価しないからです(P.041)。

理想の物件に巡りあって、希望価格に近い金額で購入でき、すぐに入居者も決まって、毎月の家賃もきちんと入り、入居者との関係・管理会社との関係も良好でなんの問題もない大家さんライフを送っていたとしても、「所有してから5年がすぎたら、売却も視野に入れておく」ようにしましょう。
投資用でも自宅用でも、不動産を所有する人にとっては5年がひと区切りになります。
なぜ5年なのでしょうか。
それは、購入した金額よりも高く売れて売却益が出た場合、物件を所有してから5年後を境にして税率がまったく違ってくるからです。
売却する年の1月1日現在での所有期間が5年以下の場合には、「短期譲渡所得として売却益の39%が税金」としてかかります。
それが5年を超えていると「長期譲渡所得になり、売却益にかかる税金も20%」になります。
5年を境に、かかる税金に倍の差が生じるのです。
どうせなら5年間は毎月入る賃料のうまみをたっぷりと享受しましょう。
そして5年経ったらそのまま所有し続けるもよし、購入金額よりも高く売れるなら売却するもよしといった選択を視野に入れておくと、より不動産投資が楽しくなります(P.105)。

いつか実践する日が来るのだろうか。

印象的なくだり

利回り計算のしかた
⑴表面利回り(グロス利回り):年間家賃÷不動産価格
⑵実質利回り(ネット利回り):(年間家賃-管理費などの経費)÷不動産価格
計算は表面利回りのほうが簡単なので、購入するときの判断基準として一般的に「利回り○%」といわれているのは、たいていは表面利回りのことです(P.035)。

これは自分も割と初期のほうに思った疑問でした。
まぁ感覚で計算しやすいのは大事ということですね。

REITは株式の一種なので、通常の株取引と同じようにREIT株が上がれば差益が生じます。
通常の株と少し違うのは「分配金」が多いということです。
分配金の利回りは2%から4%以上のものもあるので、かなりの高配当となります。
しかしREITは株の一種ですから、REITを運営している会社がつぶれる可能性もあります。
リーマンショックの影響で、2008年にニューシティ・レジデンス投資法人が資金繰りに行き詰まり、経営破たんした例もあります(P.046)。

リートって運営会社が不動産業を兼業していることも多くて
利益相反の可能性をはらんでいるのが怖いよね(独り言)

投資には建物の投資以外にもいろいろあります。
コインパーキングなどの駐車場経営、トランクルーム、貸コンテナ、コインロッカー投資というものあります。
どの投資にもいえることですが、絶対に確認しなくてはいけないのは、「その投資の実質利回りは何パーセントですか」ということです。
たとえば実質利回りが20%なら空室リスクを考えても5年超で元本が回収できます。
それ以降はすべて利益になるわけです。
これが、実質利回り7%で空室リスクが10%だとすると、資金の回収ができるころは、トランクルームもコンテナも古くなって使い物にならないかもしれません。
ここがすごく重要なのですが、最終的に元本も回収できずに、いらない資産だけが残る可能性もあるのです(P.088)。

空室をつくらないためには、「今の入居者にできるだけ長く入居してもらうこと」です。
そのためには入居者がいつまでも住んでいたい環境をつくってあげればいいのです。
入居者が不満に感じることというのは、大きく次の2点です。
①設備が老朽化している
②管理会社がクレームにすぐに対応してくれない
(中略)
「年に1度くらいは入居者にはがきを出して、現在困っていることはないか、管理会社の対応は適切かといったアンケートを実施するのが効果的」です。
もし管理会社がクレームに対応してくれないようだったら、そのことを管理会社に伝えて改善してもらいましょう。
アンケートのやり方として、入居者の誕生日を「入居申込書」で把握しておいて、バースデープレゼントとともに「満足度チェック表」を送るのもよいでしょう。
その際設備が老朽化している場合は、早めの交換も考える必要があります。
ほかにも、面白いサービスとしては「お掃除サービスを年に1回プレゼントする」ということをしている大家さんがいました。
1Kタイプは独身者が住む場合がほとんどですから、 お風呂やトイレ、台所などの水回りの掃除を無料でサービスしてあげるのです。
このサービスをすることで、部屋の状況把握と維持管理もできるのです(P.099)。

こういった王道の不動産投資の方法が書いてあるのは安心できます。
やれキャピタルなんとかとか、やれ競売をどうのこうのよりも信頼ができると思います。
そもそも賃貸人の気持ちにならないとね。

家賃を上げるにはどうしたらいいの?
部屋の内装を少しだけ豪華にする
①コンセントカバーでオシャレ感を出す
②照明器具を取り替えて明るく高級感を出す
③キッチンの水栓で清潔感を出す
キッチンの水栓であれば、1万円程度で「シングルレバー」に交換できます。
流し台や洗面台を高級なものに交換する必要はありませんが、水栓を新しいものに取り換えるだけで清潔感が増して見えます(P.102)。

選んではいけない 供給過剰地域にある不動産
物件のある地域の空室状況がどうなっているか調べる
「HOME’S不動産投資」のサイトにある「見える賃貸経営」のページを見ると、だいたいの空室率が分かります。
空室率の統計は総務省統計局「住宅・土地統計調査報告」を引用して掲載しています。
住宅・土地統計調査(5年ごと)は、わが国の住宅とそこに居住する世帯の居住状況・世帯の保有する土地などの実態を把握し、その現状と推移を明らかにする調査です。
ただし、データが5年ごとと古く(中略)、「全国平均と比べたり、エリア間での比較として使う」のがいいでしょう(P.143)。

http://toushi.homes.co.jp/owner/

『成功ハックス』

『成功ハックス』
大橋悦夫

読後の感想
成功本マニアの人が書いたマニュアル的な本。
興味深いのは、どう実行するか、ではなく、どうやったら実行「しやすい」かに注力して書かれているところ。
前提として、「自己啓発本は読むけど、読んでその気になって、結局実行できないんだよなぁ」という人向けに書かれています(わたくし?

というわけで、その意味では、メインディッシュではなく、数あるオプションのうちの一つ、という感じで読めば良いと思います。

なお早速実行してみたのは下のくだり。

一人で考えていたときにはさっぱり筆が進まなかった言行が、編集者の方から次々と繰り出される質問に対して「それはこういうことですよ」などと答えていくことで、一人で苦しんでいたのがウソのように、するするとアイデアが浮かんできます。
これと同じことを頭の中で行なうようにすればいいのです。あたかも誰かからインタビューされているようなつもりで、実際に質問を作って答えていくのです。
たとえば、「できればやらずに済ませたいこと」について書くのなら、
・今までやっていて一番イヤだったことは何ですか?(過去)
・今現在イヤイヤやっていることは何ですか?(現在)
・それは今後もずっとやらずに済ませることはできないんですか?(未来)
といった具合に、タイミング(過去・現在・未来それぞれ)について聞いてみます(P.054)。

うまいリスト化のやり方。
単なるトリガーではなく、対話形式になっていて、問いに答えるだけではなく「何でこんな風に答えたんだろう」とより深く掘り込みできるものよい。
早速やってみよう。

読みっぱなしではもったいない
何をメモするか
(中略)
(1)なるほど、それは知らなかった!もっと詳しく調べてみよう。(すぐにやってみる)
(2)へぇ、この方法ならそんなに難しくなさそう。さっそく始めてみよう。新しい習慣として始めてみよう(新しい習慣として始める)
(3)なんと!こんな方法もあるのか。さっそく取り入れてみよう。(今までの習慣を改める)
(4)これは○○さんが欲しがりそうな情報だから、教えてあげよう。(必要としている人に教える)
(5)この部分は大事だから折に触れて何度も読み返したいな。社内報や朝礼のネタにしよう。(後日のために取っておく)
(6)読み返してみたら、たいしたことなかったかな。(読まなかったことにする)
「やりたいこと」から「今すぐできること」を切り出したときと同じように、とにかく分けること。それによって、あなたが何をどのように実践すべきかが「わかる」のです。
せっかく折り返したのですから、その”バトン”を未来の自分に託したいものです。このバトンとは本を読んでいるときに心に浮かんだ「こうすればいいのか!」とか「なるほど!」といった想いのカタマリです。これを確実に生きながらえさせていった延長線上に、あなたにとっての「成功」があるはずです(P.083)。

良い言葉だな、バトンをつなぐ。
実際に自分もメモをしたときや、ページを折ったときは「すごくいいな」と感じたはずなのに、後になってみると「なんでここを折ったのかな?」と思い出せないことがしばしばあります。

そんなときは「もったいないなぁ」と強く感じるのですが、今後はこれらのように大まかにどんな感情だったかだけでもメモをしておこうと想いました。その意味ではこの文章は上の中では(3)です。

メモをしか箇所を見返してみて、上のうちどのような気持ちだったかを確認する。
いい意味での妥協、こんな風に使う方法があるなんて。
確かに振り返ってみたら、「やらなかった自分」よりもずっとまし。

印象的なくだり

返信するための時間がない
時間は誰にで平等に与えられているはずですから、厳密には「返信するための時間がない」のではなく、「返信するための時間をあらかじめ確保していない」ということでしょう。会議や打ち合わせは、あらかじめそのための時間を確保しているはずです。「会議をするための時間がない」という人はいないはずです。むろん、やむを得ずキャンセルをすることはあるかもしれませんが、キャンセルをするということは、あらかじめ時間を確保していた、ということです(P.116)。

そうそう、仕事でも同じ事。時間がないと言い訳しない、させない。

妥協をうまく利用する
それは、可能な限り「やらない」という選択肢が選ばれる確率を下げること。逆に言えば、「やる」の選択肢を増やすことです。
たとえば、腹筋がなかなか続かないということであれば、腹筋のやり方を5種類用意しておき、その中から選ぶようにするということで、「今日は疲れているから、一番ラクなこのパターン5でやっておこう」といった具合に、良い意味での妥協を引き出すことができます。
黒と白のモノトーンではなく、その間に無数のグレーを用意しておくことで、「望ましくない極端」、すなわち「やらない」という選択肢が選ばれるのを避けるわけです(P.177)。

いい意味での妥協、こんな風に使う方法があるなんて。
確かに振り返ってみたら、「やらなかった自分」よりもずっとまし。

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』
ジェーン・スー

読後の感想
いまやTBSラジオの昼の顔ことジェーン・スーさんのブログを書籍化したものです。
いやぁ読ませる読ませる。ついつい引き込まれてしまう文章ですね、しかも小気味いいくだりが続きます。

全編を通して「そうきたか」と感じる文章ばかりですが
中でも両親との関係を書いた「母を早くに亡くすこと」は本当に響く、特に最後の文章は秀逸。

この人は自分自身の感情を観察して、名前を付けるのがうまい。
いわゆるメタ認知がとても上手な人なんだろうなぁと思う。
特にうまいと思った文章がこれ。

どんどん肥大する自己愛は飴玉が歯を溶かすように結婚欲を溶かしますが、私はそれを悪いとは言い切れない。
だって自分の力で切り拓く人生には、なにものにも代えがたい楽しさがあるからですから(P.102)。

タイトルにいい意味でだまされた一冊です。

「とあるゲームの攻略法」は考えもしなかった素晴らしいアイデア。

「ゲームを有利に進められるのは、ルールを熟知している人だ」
そうか、これはゲームなのか。
私の目から鱗が落ちました。
私はそれまで、自分が参加している「男社会で働く」というゲームのルールを、理解しようと努めた試しはありませんでした。
一生懸命やっていれば、報われると思っていました。
多数派ゲーマーである働く男の特性や、彼らの好みのゲームの進め方、そのゲームにマイノリティとして参加し思うように
ゲームを進める方法など、考えもしなかったのです。
道理で私はいつまで経っても、お仕事ゲームを攻略できなかったわけですよ(P.231)。

「ていねいな暮しオブセッション」に代表されるように造語のセンスも抜群です。

ていねいな暮しオブセッションとは、『暮らしの手帖』に体現されるような、正しい佇まいの暮らし方に取り憑かれること。
(中略)
物質的な豊かさよりも、精神的に豊かになることを尊び、「きちんと暮らす」ことに矜持を持つ。
ネオ清貧とでも言いましょうか、とにかく毎日をきちんと暮らすのです。
「過ごす」のではありませんよ、きちんと「暮らす」のです(P.016)。

印象的なくだり

A子ちゃんは旦那探しの合コンに週三回も参加しており、良いお相手がいない時は、
その会で知り合った男に必ず次の合コンをセッティングしてもらっていました。
それでもいい相手が見つからない時は、仕事帰りに女友達とPRONTOで飲んだりもしているとのこと。
全スペックにおいて同世代男の上位数パーセントに属する独身メンは、既に若い女とイチャコラやっており、三十を過ぎた自分は市場優位性に乏しい。
だから、平日の夜PRONTOで男同士飲んでいるような普通のサラリーマンを狙うのだそうです。
華やかな印象のA子ちゃんがPRONTOで飲んでいたら、そりゃ目立って声もかけられるよな。
私は彼女の戦略的思考に慄きました(P.037)。

私はよく「しっかりした人」と言われますが、それはあいまいな空気を漂わせたままにしておくことが苦手な、自信のなさの裏返しでもあります。
しっかりしていないとみっともなくはしゃいだり、みんなと一緒に場の空気に馴染んだりできなくなるのではないかという恐怖を、
私はいつもうっすら感じていました。
多少の発展を予感させる異性を前にすると特に、感情と役割の白黒をハッキリつけないと、息が詰まってその場にいることが耐えられませんでした(P.064)。

一世一代の大失恋をして知ったことは、失恋は親が死ぬよりもはるかに苦しいということでした。
なぜなら喪失感に妬みや恨みがトッピングされるからです。
大好きな人の不幸を祈るという、よくわからないパラドックスに日々熱心でした。
もうそこにないものに、ずっとず―――っと執着していた(P.138)。

女優やモデルとして活躍する、笑顔の可愛らしい女性から
「普段から口角を意識するだけで顔の筋トレになるので、意外と鍛えられます。
顔の筋肉が柔らかくなるだけで、笑顔はだいぶ違う」と、アドバイスを貰えました。
プロは笑顔の研究をし、日常生活から素敵な笑顔を心がけている。
彼女のプロ意識に感心していたら、女優でもモデルでもない友人までが「私も笑顔の特訓をしたことあるよ」と言うではありませんか。
おい、アマチュアも笑顔の練習をしているのかよ。
この友人曰く、彼女が高校時代にアメリカに留学する際に「言葉が通じないところでは笑顔が最大の武器だから、笑顔を練習したほうが良い」と
留学カウンセラーに言われたそうです。
彼女は私の友達の中でも、最高級の笑顔の持ち主。
それがまさか、練習の賜物だったなんて。いいえ、それ以上に、あの素敵な笑顔が練習で手に入るなんて!(P.150)。

商売は長距離走だけど、一年ごとの短距離走の繰り返しでもあります(P.172)。

ウェブサイトのユーザビリティ研究の第一人者と言われるヤコブ・ニールセン工学博士は、サイトの使い方をすぐ理解できる
「学習しやすさ」、一度使い方を覚えたら効率的に使える「効率性」、一度使ったらしばらく使用しなくても思い出せる「記憶しやすさ」、
「エラーの起こりづらさ、もしくは回復しやすさ」、楽しく使える「主観的満足度」の五つが使いやすいサイトの肝だと定義しました(P.188)。

『憂鬱でなければ仕事じゃない』

『憂鬱でなければ仕事じゃない』
藤田晋
見城徹

読後の感想
サイバーエージェントの社長である藤田晋さんが私淑する幻冬舎社長の見城徹さん。
この本は、藤田さんが仕事をする上で大いに影響を受けたと公言する見城さんの言葉が、見開き右側に自筆で書かれ、左側にはその解釈が書かれている部分に引き続き、お二人それぞれがコメントをつけているというスタイルで書かれています。

この二人の交換日記のようないちゃいちゃする雰囲気がたまらなく好きです。

お二人とも大きな会社の経営者でもあり、その言葉には厳しさと力強さ、そして二人の経験が語る説得力が多く含まれています。

藤田:
何事でも、「結果ではなく、プロセスを評価してほしい」という人がよく
いるけど、僕はこれを聞くたび、ただならぬ違和感をおぼえます。
僕は経営者なので、結果が出なくても、本気で仕事に取り組んだ社員には、次のチャンスを与えるようにしています。
しかし、プロセスを評価してほしいと本人が考えているとしたら、一体どこに焦点を合わせて仕事をしているのか心配になります。そういう人が結果を出したのを、僕は見たことがありません(P.036)。

リーダーや経営者の仕事は、単にいい人ではできない。
さまざまな問題や矛盾を解決しなければならないので、不公平や損得が生じ、全員ハッピーにはならないからです。
誰にも嫌われないように、公平で、不正がないように、きれいごとばかり言っている人は結局何もできません。
何かを決めて、物事を推し進める時は必ず何割かの人は反対してきます。
時には圧力をかけたり、裏から手を回したり、あらゆる手を尽くしても、前進させなければなりません。
そうしたことも厭わずに責任を負う覚悟が、必要なのです(P.150)。

章立てに従って進んでいくと、最初は人間としての心構え、次第に社会人・ビジネスマンのことに進み、最後は経営者・成功者としてのくだりになります。その過程を読み進めると、人間の成長という流れになるような構成は秀逸だと感じました。読み進めるに従って成長を追体験できるような物語になっているからです。
見城さんは、角川書店から単身で独立し幻冬舎を立ち上げ、作家を口説き落としヒットを飛ばすような、絵に描いたようなトップセールスマン型の経営者であると思います。

その人の心を動かすような心得が随所にちりばめられていました。
人として極端な見城さんは、好き嫌いがはっきり分かれるタイプかと思えますが、そうでなければ選ばれもしない、というポリシーを読み、はっとしました。自分も小さくまとまっているのではないかという糾弾を受けた気がしたからです。

「極端」こそわが命
世の中には選ばれるものと、選ばれないものがある。
そして人は誰でも、選ばれるものになりたがる。
しかし奇妙なことに、多くの人はそのための戦略を欠いている。
「極端」は、選ばれる戦略の最大のキーワードだ(P.059)。

一つ気になったのは、本書はなぜ「幻冬舎」ではなく「講談社」から出たんでしょうね。
本に点数をつけることは馬鹿げているとは思いつつ
評点は5点満点中4点です。

印象的なくだり

「運がよかった」は、謙遜でのみ使うべきだ。
断じて他人をこう評するべきではない。
その言葉は思考を停止させ、努力を放棄させ、成長を止めてしまう(P.071)。

見城:
僕は、朝起きると、必ず手帳を開く。自分が今、抱えている仕事を確認するためだ。そして、憂鬱なことが三つ以上ないと、かえって不安になる。
ふつう人は、憂鬱なこと、つまり辛いことや苦しいことを避ける。
だからこそ、あえてそちらへ向かえば、結果はついてくるのだ。
楽な仕事など、大した結果は得られない。憂鬱こそが、黄金を生む。
マルクスは、人間を受苦的存在と規定した。
ドイツ語では受苦とはパッション、つまり、情熱を意味する。
苦難と情熱はワンセットなのだ。人間は苦しいから、情熱を感じ、それを乗り越えてゆけるということである(P.090)。