『君のためなら千回でも(上)(下)』

『君のためなら千回でも(上)』
『君のためなら千回でも(下)』
早川書房
カーレド・ホッセイニ
佐藤耕士

読後の感想
原題は「THE KITE RUNNER」。
アフガニスタンでの少年の友情の物語。人種、内乱、宗教と様々な要因でその友情は翻弄されてしまいます。
文字にすると陳腐な表現になってしまいますが、かなり感情移入をして読みました。過去に友情に何らかの負い目を負ったことのある人ならなおさらでしょう。
下巻に入ってからは、予想外の展開も起こり、一気に読んでしまいました。それほど引き込まれました。
実を言うと自分にイスラム教やアフガニスタンの知識がないことをこんなに悔しいと思ったのは初めてでした。もちろん知識がなくとも読み進めることはできるのですが、本質的な部分まで理解したいと思ったので。しばらくは目標としてイスラム関係の本を読んでみたいと思わせる一冊。

オススメです。

内容の要約(裏表紙より)
上巻
「君のためなら千回でも!」召使いの息子ハッサンはわたしにこう叫び、落ちていく凧を追った。同じ乳母の乳を飲み、一緒に育ったハッサン。知恵と勇気にあふれ、頼りになる最良の友。しかし十二歳の冬の凧合戦の日、臆病者のわたしはハッサンを裏切り、友の人生を破壊した。取り返しのつかない仕打ちだった。だが二十六年を経て、一本の電話がわたしを償いの旅へと導く–全世界八〇〇万人が涙した、衝撃のデビュー長編。

下巻
「もう一度やり直す道がある」わたしとハッサンをよく知る友人ラヒム・ハーンは告げた。電話回線の無効にあるのは、わたしの過去、まだ償いの終わっていない罪。わたしは迷いをふりはらい、パキスタン行きのフライトに飛び乗った。そこに、わたしを打ちのめす悲しい真実が待ち受けているとは知る由もなく–アメリカとアフガニスタンを舞台に、少年時代の罪に立ち向かう男の姿を感動的に書き上げる、世界的ベストセラー。