『歌舞伎町』

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価格:1,995円(税込、送料込)

「歌舞伎町」
権徹

読後の感想
これは本というよりは、むしろ写真集。
それもノンフィクションもので、ものすごい長い時間を掛けて作られたドキュメンタリー映画のような印象を受けました。
著者は写真家。1996年ごろから歌舞伎町を撮り始めた。

歌舞伎町は、人間の生臭さや欲望がむきだしの街だ(P.020)

といいつつ、歓楽街の顔、事件現場の顔、表の顔と裏の顔を撮りつつ綴る。

一章まるまるコマ劇場だけの章があるのですが、これは少しせつない。歌舞伎町で、育つ子供たちの写真も多く出てくる。
同じ年頃の子供を持つ身としては、この街で育つことが、この子の将来にどのような影響を与えるのだろうか、考えざるを得ない。
もちろん、悪い意味だけではないはずなのであろうが。

内容としてはほぼ写真の力で、文章はオマケみたいな感じでした。
とにもかくにも写真を見よう。

印象的なくだり

交番に駆けこんでもすぐには動いてくれない。駐車違反を見ても忙しいからなのか素通りしている。
だが、「110番通報」だとすぐに現場に駆けつける。警官個人に言うよりも、「組織」に直接言ったほうが早いのだ。法律違反者を拘束できる強い権限を持っている彼らも、サラリーマンということなのだろうか(P169)。

歌舞伎町での若い女性の自殺の8割はホスト絡みだという(P197)。

写真が好きだった頃

 そういえば、自分が写真を撮るのが好きだった頃、やたらめったら風景の写真ばっかり撮っていた。
 人づきあいが余り好きではなかった、というのが大きな理由ではあるが、最近自分自身では気づかなかった理由に、ふと気がついた。

 それは

 「風景は文句を言わない(笑)」ということ。

 同じことは鉄道の車両にも当てはまるような(笑

 何しろ人間以外は権利を主張しないので大変気楽です。撮るほうとしては…