名寄帳とは

名寄帳とは
所有者は誰か?という視点からまとめた不動産の一覧表のことです。
法務局に備え付けられている登記記録では一筆や一 棟ごとの所有者しか記載されていませんが
名寄帳を見れば逆に、その人が持っている不動産が全て分かります。
基本的には、一筆一棟ごとの評価額、税額、課税標準額、地目及び地積等が記載されています。

この名寄帳、作成の根拠は不動産登記法ではなく地方税法にあります。

(土地名寄帳及び家屋名寄帳)
第387条 市町村は、その市町村内の土地及び家屋について、固定資産課税台帳に基づいて、
総務省令で定めるところによつて、土地名寄帳及び家屋名寄帳を備えなければならない。

まぁ、つまるところ税金をとりっぱぐれないようにするために
(固定資産税・都市計画税の課税の便宜のために)
わざわざ作ったということです、ご苦労なことで。

ちなみに注意点としては
・同一市町村の分しか出てこないので、別の市町村にある不動産は名寄帳では把握できない
・名寄帳はあくまでも市役所が法務局に有る不動産登記記録を元にした二次資料なので
 不動産の所有権を証明するものではない
・債権者側からすると名寄帳を手に入れると、財産の把握を(比較的)簡単にすることができるので超欲しい
・名寄帳に載っていなくても、法人名義で不動産を所有している場合も有るので注意
・基本的に取得は本人か、本人からの委任を受けた代理人しか取得できず
 職務上請求すらできない(まぁ破産管財人になれば、取得できますが…)
・市町村によって異なるが、場所によっては名寄帳の精度は低く相当抜けている
 (つまりその結果、名寄帳で相続登記を入れた場合は、抜けが発生し後々困る)
 (筆が多いと登記記録取得費用を節約しようとする場合があるけど、非オススメ)
・課税根拠とかそういったものが一切書かれていない

そもそも、課税業務のために作成した書類なので
そんなに多くのことを名寄帳に期待してはいけないというものかもしれませんねー。

どっとはらい。