なるほどですね~

タイトルは、面接中に相手から出た言葉。びっくりした。

というわけで、お仕事で採用業務なるものをムムムと二ヶ月ばかりやってみました。
Web上の履歴書だけで50人強、実際に紙の履歴書を30人弱見て、実際に面接を10人ほどやってみた感想をそこはかとなく。

・紙の履歴書の印象<実際の印象…なんてことはありえない(とは言い切れないけど
いやいや、もちろん僕の目が節穴ってことも可能性としては大なんですけど、とにかく僕の印象論なので、そういうことで。
とにかく書類上で「ピン」と来ない人は、実際にお会いしてもその印象は覆らなかったですね。むしろ書類の印象通りだなぁ、みたいな。
とにかく推敲に推敲を重ねた文章、時間をかけて丁寧に書いた文章は、それなりに分かります。伊達に本をたくさん読んでません(笑
実際に応募する側としては、「書類では自分の魅力や能力は分からない。実際会ってよ」とは思っているのでしょうが、むしろ実際は逆ではないかと。つまり、本人に能力があふれんばかりだったら、そのあふれんばかりの能力が書類にも零れ落ちるのではないかと(比喩です)。つまるところ、自分の能力を書類にきちんと表現するのも「能力」なわけで、実際の能力うんぬんも、まずはちゃんと書面にしてね、と述べたいわけです。

・面接で何を言っているか分からない人が(思っていたよりも)多い
僕の面接がボンクラなのはちょっとここで置いておいて、基本的にはせっかく時間やお金というコストをかけて面接にいらっしゃったからにはじっくりしっかり訊きたいのが僕の姿勢です。というわけで、1対1で最長1時間半くらいはきちんと面接をしています。パーテーションの裏で聞いていた人によると「7割くらいは福田さんがしゃべってた(笑)」なんていわれていますが、最初は場を和ませ緊張を解いて、質問をしながら相手に話させている(つもりの)面接をしています。
というわけで、残りの3割(かどうかは不知)の相手の話を、一言一句聞き漏らさず聞いているわけですが、残念ながらちょっと聞いただけでは何を言いたいのか分からない方が多いなぁという印象でした。「うまく言語化できない。情報の伝達に齟齬が発生するかもしれない。でも、聞いて。」とまぁ茅原さんの声で言われればいいのですが、着陸地点の読めない話を面接で聞くのは結構辛かったです(僕が黙っていられない性格であるということが最大の原因ですが)。「つまり、○○ということですね?」と、相手にしてみれば助け舟であり、僕からするとイエローカードを出す場面が非常に多かったですね。

・質問に正面から答えない(消極的に嘘をつく)
履歴書や職務経歴書なんて個人情報の塊なわけです。それを相手(応募した企業)に送るのだから、有る程度は自分のことを調べられていると思って間違いないと思います。ちなみに採用する側としては、一般的に職能や技術、知識は後からなんとかなるけど、性格・気質はなんともならないと考えていると思います。

誰かを雇おうとするときには、誠実さ、知力、実行力という三つの資質に注目するとよい。中でもいちばん重要なのは、誠実さである。なぜなら、不誠実な従業員を雇った場合、知力と実行力はあなたを窮地に陥れるからだ。

というわけで、僕の場合は有る程度、その人のことを調べた上で、ちょっとした呼び水的な質問をしています。それにどのように答えるかってやはり人間性が表れるなぁと実感しました(詳細は特に秘す)。
ちなみに調べ方としては、まずは本名で検索、フリーメールならアドレスのアカウント部分で検索(迂闊な人だと、yahoo!アカウントでオークションの履歴が出てきたりね)とか。
SNSあたりならみんな対策しているんだろうけど、ちょっと検索方法を変えれば芋づる式にいろんなものがヒットします。気をつけて見ているのは、twitterの投稿時間とか写真のexif情報とかetc。

・不採用になりそうな人ほど丁寧に対応する
これは、面接について書かれた本を読んで気付いたことですが、一般に不採用にされた側は、会社のことをよく思わないのが普通です(そりゃそうだ)。でも、企業としては嫌われたくないし、いつか自分の会社のお客様になってくれるかもしれない方を無下にも扱えません。
というわけで、僕の面接のやり方として、話の途中で採用の方向で考えている方には普通の対応を、申し訳ないけど採用見送りかな、と思った方には、めちゃくちゃ丁寧に接しています。面接が終わって出口までお見送りする際にも、採用見送りかなと思われる方には見えなくなるまでお辞儀をしています。

というわけで、そこはかとなく書き連ねてみました。
この経験は本当に大きかったなぁと感じています。
その意味ではラッキーです。感謝感謝。