千円札は拾うな。

千円札は拾うな。
サンマーク出版
安田佳生

読後の感想
 当初は経営者向きの本だと思って読み始めた。
しかし、読み進むと実はそうではなく、人生を生き抜く全ての人に向けられた本だと気づいた。

 常識という千円札に流されず、本当の成功という一万円札(もしくはそれ以上)をつかむには何に気づけばよいのか、と問いかける本である。

 タイトルのつけ方が秀逸。タイトル勝ちですね。

印象の残ったくだり
成長できる人は、間違った階段を上らなかった人ではない。
間違えたと気づいた瞬間に、躊躇せずに今いる階段から飛び降りることができた人間なのだ(P035)。

人材に投資する場合、大切なのは、何にお金を使うかではなく、それによって、その人が何を得、どう変わるかだ。人材が得るのは「物」ではない(P072)。

本来、ものを買うという行為において、最も大切なのは市場価値ではなく、その人にとっての価値であるはずだ。
だから、お金には「上手な使い方」はあっても、「正しい使い方」はない(P096)。

人が生きていく上で必要なのは、お金そのものではない。必要なときに必要なお金を作り出すことの出来る能力を身につけることである。
だからお金は、貯金するよりも、能力を身につけることに使ったほうがはるかに生きた使い方だと言える(P098)。

男性のどこを見れば将来大成するかどうかがわかるのだろう。
ポイントはふたつ、「お金の使い方」と「時間の使い方」である。
形のあるものはお金を使うが、形に残らないものへの出費は惜しむという男は大成しない。
自分の時間には価値があると思い、意識して時間を使っているかどうか(P114-P116)。

いい男をつかまえようと思うなら、今すでに彼女のいる男の中から探す。これが鉄則である。
大切なのは彼女と別れそうになったとき、自分のところに連絡が入るような仕組み作りをしておくことだ
(P118)。

人生において最も大きなリスク。それは、周囲の人の常識に流されて、本当のリスクを自覚しないまま生きていくことだ。
リスクのない人生などこの世には存在しない
(P158)。