『仕事の効率が3倍UP! 整理・整頓4S仕事術 1日90分を節約する』

『仕事の効率が3倍UP! 整理・整頓4S仕事術 1日90分を節約する』
石谷 愼悟

読後の感想
会計や業務改善のコンサルタントが、仕事効率を上げるために4S(整理・整頓・清掃・清潔)を利用し、どのように改善するかについて書かれた本です。
実は、最初は整理整頓といってもモノのことだけかと思っていましたが、読み進めていくうちに仕事そのものの整理整頓について言及したり、一人ではなく組織での取り組む方法について書かれているなど、ただの掃除本ではありませんでした。

 仕事そのものの整理・整頓はそんな夢を現実にするための1つの考え方です。物理的な4S(整理、整頓、清掃、清潔)を仕事そのものに当てはめて取り組みましょう。
 ”仕事そのものの整理”とは、「顧客にとって価値のある仕事と価値のない仕事を区分して、価値のない仕事をやめること」です。自分達に必要か/必要でないかで判断するのではなく、顧客にとっての価値で仕事を区分して、価値のない仕事をやめます(P.170)。

「価値のない仕事をやめます」
言ってみたいなぁ。石谷⊿(いしたにさん、かっけ~(格好いい))

また、変化を嫌う組織には、

 過去に作った制度や仕組みは、作った時の環境に適応したものです。現在とは異なる環境に適応したものなのです。そして、これだけ環境の変化の激しい現代では、たとえ数日前の状況であっても、現在と同じとは言い切れません。そのような中で、今までのやり方に固執し続けていていいのでしょうか。良くはないでしょう(P.31)。

の言葉が響くでしょう。
自分も口癖のように「そんなやり方昭和じゃないんだから」とか言ったりしますが、
こちらのほうがスマートで聞く人に受け入れやすいでしょう。今度からこう言います。

ちなみに、細君からは

 机に置かれる黒いボールペンは1本です。なぜなら、人は一度に1本のボールペンしか使えないからです。予備が必要であればそれも1本です。今使っているボールペンが書けなくなり予備を使用し始めたとしても、その日のうちにそのボールペンを使い切ることはないでしょう。予備を使い始めてから次の予備を買いに行っても充分に間に合います(P.54)。

を指して、自分の筆箱にペン多すぎだと指摘されました。
いまは一種類に一本にしています…。
(いざ家族から指摘されると心が痛みました)

印象的なくだり

 整理・整頓の効果をしっかりと把握していくためには、生産性を単位時間(1日や1時間など)当たりにどれだけのアウトプットを作り出せたかということで測っていきます。違いは作業を中心に「各作業がどれくらいの時間でできたか」で考えるのではなく、時間を中心に「単位時間にどれくらいのアウトプットができたか」で考えていくところです。単純な逆数に思えますが少し違います。
 時間を中心に考えた場合、1日という時間の中にはいろいろなモノを探したり、問い合わせに対応したりする時間などは全て含まれます。そして、作業ではなくアウトプットを考えるので、修正作業をしてもアウトプットは増えないのです。
 ですから、時間を中心にした生産性で見ていけば、整理・整頓による効果がはっきりと見えてくるのです(P.20)。

 4S(整理・整頓・清掃・清潔)(P.37)
 整理:「いるモノ」と「いらないモノ」を分け、「いらないモノ」を捨てること
 整頓:「いるモノ」を使いやすいように置くこと
 清掃:身の回りのモノや場所を綺麗にし、いつでも使えるようにすること
 清潔:誰が見ても綺麗であり、綺麗な状態を保とうという気持ちにさせること 

実はみんな区別ついていないんだよね。

 例えば、『いらないモノ』と判断された書類などで本当に捨ててしまって問題ないか不安がある場合は、段ボール箱などに入れ、フタに封印をして半年間保管します。半年経ったときにその段ボール箱の封印が切られていなければ自動的にその書類は捨てるのです。この時には中身を見直さないことが重要です。期限切れのモノは何も考えずただ機械的に捨てるのです。そして、もし封印が切られていた場合は、取り出した書類が何なのか、何のために必要だったのかを確認し、『いるモノ』と『いらないモノ』の判断基準を見直します(P.43)。

 電子メールには大きく分けて2つの用途があります。1つ目は、自分自身へ何かの対応を指示あるいは依頼をするメールで、2つ目は、状況や情報を共有するために通知するメールがです(P.142)。

 見えないモノは管理・改善できないのです。
 そして、仕事が見えないかぎり”仕事そのものの整理”も”仕事そのものの整頓”もうまくいきません。ですからこれらを実現するためにはまず仕事そのものを見える化する必要があります。仕事そのものを見えるようにして、常に仕事が適切に行われていることを誰でも把握することができるようにすることができるようにすることが”仕事そのものの清潔”です(P.194)。