『あたりまえだけどなかなかできない 読書習慣のルール』
松本 幸夫
読後の感想
「著述家」の著者が、読書を習慣にするために100個のルールを作り…って、そんなに守れるかって。
というよりも、このルールの中には「月に100冊読め」みたいな、どうかしているものも混じっているし、
まぁ本というよりエッセイ集みたいなもんです。
ルール同士に相関関係もないので、どこから読み始めてもいいし、適当に読み飛ばしてもよし。
但し、読書習慣をつけよう、と思っている人は読んではいけません。
自己啓発の本はおそらく、「水飲み場に連れてくれる」までが主な役割です。
「とっかかり」「きっかけ」がつかめたらそれでいいのです。何かのきっかけで、受け身の自分から積極的な自分に変わるものなのです。
つまり、モチベーション向上のためにも、ずっと、いつでも読むことが欠かせません。悩みがある時、つらい時も同じでとにかく、本を手にしてヤル気を一定程度に保っておくことが大切です。
そうなると、私たちは「モチベーションを上げる」本というのは、自分にとって誰の本なのか、どんなジャンルなのかを知っておく必要があります(P.114)。
一番響いた身も蓋もない記述。よくわかってらっしゃる。
ちなみに自分にとってのモチベーションを上げるための本は
野口悠紀雄先生と松本清張先生の本。
帰納法的にそうなるはずです、多分。
印象的なくだり
1人の作家をたくさん読んでいきますと、当然「この著者はどんな人かな」という興味も出ます。中には、作品と著者は別という人もいますが、1人の著者で読み進めるには、やはり著者のバックグラウンドがわかりますと、作品の”理解度”は高くなるのです。
私が著者のバックグラウンドでみるのは、”少年時代”です。必ずといっていいくらいに、後年を予想させるような”きっかけ”があったり、体験をしているものです(P.48)。
著者に興味を持つというのは確かにとてもいい方法だと思います。
ちなみに自分がよく気にしているのは「何歳のときに書いた本か」ということ。
感想、反論、要約以外にも、あなたの思いつきはすべて本の余白に書き出します(P.61)。
いいことばをピックアップする時点で、「選択眼」が養えます。それを「書く」ことにより、さらにその考え方が”血肉化”して、本人の心深くに、くさびのようにうちこまれるのです。もちろん、声に出して読み上げてもいいのです。再度、自分の耳から入ることで、その考え方は心にとどまります(P.69)。
外国語を上達させるための読書法があります。
ある程度できる人なら、たとえば英語の原書を読みこなすと良いでしょう。
ただ、「原書を読む」のは、やはり語学力向上には欠かせないとはいっても、そこまでの力がありませんと誰でもがスラスラというわけにはいかないでしょう。
私が勧めますのは、「対訳本」です(P.152)。
まずは対訳本でもポチってみますか。