『散歩する侵略者』

『散歩する侵略者』
監督 黒沢清
脚本 田中幸子
長澤まさみ
松田龍平
長谷川博己

鑑賞後の感想
数日間行方不明だった夫が戻ってきたら人格が変わっていた、というところから始まる日常系のホラーコメディです。
乗り移られた後は人格がまるっきり代わってしまい、日常の中にある非日常感が恐怖でした。
具体的には、概念を奪われた人はその概念を理解できなくなり、人が変わったようになってしまうのです。例えば、「家族」ってなんだろう、「愛」ってなんだろうという思春期にありがちな疑問って言い出し始めます。それを受けた周りの人は、「はぁ?」って感じ。このやりとりを見るとしみじみと「静かに狂う」という怖さを思いますね。
宇宙からの侵略者は、侵略する過程で様々な概念を奪い取っており、概念を奪うために相手と会話をしないといけないという謎ルールが、より恐怖感を増していました。

全体的な感想としては、元々部隊が原作のようで、会話劇で淡々と進むストーリーと、とんでもな映像が違和感ありまくりの世界観を醸し出しており、一回見ただけでも強烈な印象を受けるシーンが多いのが印象的でした。

松田龍平さんは別格として、垣松祐里さんの凶暴な演技は背筋が凍りそうでした、アクション担当で瞬殺です(色んな意味で)