|
「言の葉の庭」
新海誠
鑑賞後の感想
まるで写真、映像のような地面に映る水たまりから始まるオープニング。
新海監督に書かせると、東京の風景、特に新宿御苑、新宿駅、電車の風景が生きているように見える。概念としての東京を書かせたらうますぎです。
「秒速5センチメートル」も「君の名は」も東京は、無機質で地方との対比で描かれていたけど、「言の葉の庭」でも、人は多いけど感情がない、みたいな形で描かれている印象を受けました。満員電車で各自スマホを見ているシーンとか。
そして、雨の音も。
新宿御苑の東屋で出会う二人。日を追うごとに座る距離が近づく=心が近づく、を写しだし、最初は遠い→徐々に近い→密着→離れるが見ていて感情が揺さぶられます。でもこの話は6月から9月の本当に短い期間の物語なんだよなぁと、しみじみ思いました。
雪野さんの抱えている闇の深さは、「元彼の伊藤から着信はあるけど守ってくれなかったこと」や「千駄木駅ホームで電車に乗れないこと」などに表れていて、でも彼女の性格から言いだせなくて、最後に爆発するまでは、ちょっと嫌な女の人に見えてしまったところがちょっと残念でした。雪野って名字だったのか、てっきり名前かと思っていた。
ちなみに雪野先生は裏設定で「君の名は」でも糸守の国語の先生をやっています。
ラストの階段シーン、転ぶところは「君の名は」がフラッシュバック(順序は逆)だけど、これは号泣できます。そして完璧なタイミングで、大江千里のRain(歌唱は秦基博)が流れます。歌詞も完全に物語を敷衍した素晴らしいの一言。このエンディングだけ2回みました。
でも、これってハッピーエンドだよね?って後から心配になっています。
なお御苑はアルコール禁止、コンプライアンス的な観点から。
どっとはらい。
スポンサーリンク