『百舌の叫ぶ夜』

読後の感想
ドラマのMOZUを見た後に、原作も読んでみたい、と思い読み始めました。
登場人物をドラマの配役で補完して読むと最高です。
ドラマを見たときに意味不明だった部分は小説で感情の機微がはっきり分かり
逆にドラマで意味不明なシーンは小説を読むと更に腑に落ちました。

大きなネタバレのない範囲で書くと
・ドラマだと存在感たっぷりの室井は、小説だと空気(いい意味で)
・新谷兄弟への父親のゆがんだ教育が全ての元凶
・サスペンス長編には珍しい複数視点のプロットがドラマ向き

舞台設定は古いのですが、現在のドラマにも置き換えられるということは
すなわち、内容が小手先ではなく「人の心をきちんとえぐっているから」です。
今も書かれた1990年も、人間の喜怒哀楽は変わらないということですね。

エンタメではないですが、踊る大捜査線のように警察内部の力関係ドラマなどが好きな方ならぜひお勧めかと思います。

同じくMOZUの原作の『幻の翼』もご一緒に。