人種差別と映画「ドリーム」について考えてみました

アメリカのミネソタ州ミネアポリスで5月29日に、黒人男性が白人警察官に首を圧迫され死亡した事件がありました。
この手の白人警察官と黒人の被害者の関係のニュースを見るたびに、私自身は人種差別の根深さを思わずにいられません。

■無条件で差別できる魔法の言葉、人種■
なぜこれほど人種差別が一般的に「否定的な考え」と教えられつつも、ことあるごとに登場するのでしょうか。
特にトランプ大統領のツイートを見ると、差別的な単語でいっぱいになっています。
まだ大統領候補だった時に、トランプ大統領の主な支持層はラストベルトと呼ばれる地域の没落白人層でした。
彼らは外国からの産業に職を奪われてきたいわゆる貧困層で、日々の生活にも困窮しています。
そんな彼らの不満のガス抜きとしてしていたのが外国人や黒人などを差別することと、それを行うトランプでした。
学歴もお金もない彼らが、無条件で他人を非難できるのが「人種」という魔法の言葉だったのです。
ちなみに日本だと血筋とかになるのでしょうか。

■人種差別が分からないと映画の意味が理解できない■
2016年の映画「ドリーム」では三人の黒人の女性が登場します。
主役級の三人は、女性かつ黒人という二つの意味でのハンデを受けながら、というストーリーです。
この映画には、場面のあらゆるシーンに差別が登場します。
例えば、バスに乗る時も白人は前、黒人は後ろに座ります。座席がなくなると運転手は当然のように黒人を立たせます。
水飲み場も白人と「colored only」と書かれて別になっていました。
図書館で借りられる本ですら別々になっていますし、進学などの壁もありました。
あとは映画エピソードで登場する、人種によって決まっているトイレ問題もあったりします。
とにかく日常に差別が「不便」という形とセットで登場するので、とにかくハンデキャップだらけなわけです。
この映画の爽快なところは、そのハンデをも乗り越えたという部分にあるので、そもそも差別描写が理解できないと意味が分からないはずです。

余談ですが、この映画の舞台は「マーキュリー計画」だったにもかかわらず、当初の邦題は「ドリーム 私たちのアポロ計画」でした。
配給会社の20世紀フォックスによると、宇宙計画について馴染みやすいアポロ計画にした、とのことですが、そりゃないよと思いました。

■対策は適切な教育だけ■
かつて地球が中心になっていると考えられていた時代、いわゆる天動説は主流でしたが、正しい観測と評価によって崩れ去りました。
それと同じように、人種差別の根元になっている優生学も正しい教育しか根絶する道がないのではないかと思っています。
しかし、天動説が(誤解なのに)分かりやすくて理解しやすいのと同様に優生学も、根拠はないけど理解しやすいです。
この手の話は、何にもしなくても理解できるものではありません。
きちんと理解するための勉強をして、考えを深めていき初めて理解にたどり着くものだと考えています。

そんなことをモヤモヤと考えてみました。

どっとはらい

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