『迷走地図』
松本清張
新潮社
読後の感想
やはりお金と政治がからむ社会派小説が、松本清張の素晴らしさを最も引き出せると感じました。
特に、政治秘書の役割について、様々な含みを持たせながら進む展開や、登場人物が多いにもかかわらず、きちんと喋り方で個性を持たせ、さらに性格付けまで補うのは流石です。
速記、運転手、院内記者などの役割が物語の上で、ジグソーパズルのようにはまっていくのはゾクゾクします。
ただ敢えて苦言を呈するなら、秘書連盟の伏線の置きっぱなし具合と、最後はあんまり納得いきませんが…。
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