ダーウィンの悪夢

タイトルの映画を見てきました。

 内容を簡単に要約すると、湖に外来種が放たれ、食物連鎖が破壊され、さらにその外来種は輸出に耐えうるので、そこから貧富の差が生まれ、社会問題となった、というもの。
 映画の主題としては、別にナイルパーチという外来種が原因ではなくとも、とある原因が社会問題を引き起こしたという点にあると感じた。つまり、ナイルパーチは要因の一つであって、その問題が解決したとしても、現在の社会問題は解決しないということ。

 本映画で取り上げられている社会問題とは、ストリートチルドレン、麻薬、売春、売春によるエイズの蔓延などである。

 この映画には様々な人種が出てくる。富める白人と、貧しい黒人。酒を飲み、女を抱く白人と、タバコを吸い、麻薬におぼれる黒人。この対比はかなり分かりやすく演出(もしくは表現)されている。インタビューは完全な時系列ではなく、対比させられる両者を効果的に切り取って編集されている。

 一つ気になったのは、製作者の誘導質問。ある特定の事実を、この社会問題と絡めようとして、執拗に質問する。

 この映画が映し出すものは、事実をある特定の視点から切り取ったものであり、必ずしも真実であるとは限らない。しかし、社会問題は事実であり、また、ナイルパーチも事実である。問題はこの両者の関係をどのように捉えるかにある。

 苦言。日本語字幕が見難い(背景が白なのに、白の字幕をかぶせるため)。また、話している英語と字幕がところどころ違和感を感じる(誤訳とは言わないが)。

 若干、偏った映画である。ただ、作者としての明確な考えを分かりやすい形で表現しなかった点については好感が持てる(真意を秘しているほうが害悪は大きいともいえるが)。

公式サイト
http://www.darwin-movie.jp/