『時間の教科書』

『時間の教科書』
日本放送出版協会
「おちまさとプロデュース時間の教科書」をつくる会

読後の感想
筆者がおちまさとということでイロモノかと思っていましたが、予想外に得るものはありました。一般的な時間について書かれた本とは視点が違っていて面白かったです。
おちまさとと言えば、そーたにと並んで「ひらがなの構成作家」くらいのイメージでしたが、ちょっと印象変わりました。「時間」と「NHK」で検索したらこんな本がひっかかるamazonの仕様にも感謝です(たいていひどい目に遭いますが)

印象的なくだり
あとから人の成功をねたむ人は、成功した人のアイディアと行動力以外の、その「リスクを承知していた」という心構えを評価していません。思いつきを行動に移すとき、成功した人たちは、きっとそのリスクも分かっていたはずです。しかし、それを承知でいち早く動いたのです(P.109)。

ミストーンとは、元々ミュージシャンがレコーディングなどでうっかりヘッポコな音を出してしまって、本人は失敗した、と思っていても、ディレクターとかプロデューサーとか、周囲にいるそういう偉い人たちが「あ、今のちょっと面白くていいね」「うん、新しいね」「ありじゃない?」などと言って、結果的にOKになる、みたいなことです。
(中略)
逆に、自分の周囲で、誰かが失敗をしたときもこの感覚を思い出してください。頭が、「時間時間時間、効率効率効率」と、悪い呪文のようになっていると、目の前のちょっとした他人のミスが、許せなくなってしまいます。しかし、そこには「意外にいい結果を導けるかも?」と言えるような可能性が隠れていることがあります。いきなりその失敗の責任を追及するような態度に出てはいけません。ええ、いけません(P.169)。

時間にまつわる言葉集
時は金なり
Time is money.だが、時間は基本的に貸し借りができないので、金よりも大事。取り返しのつかないものと知るべし。
Time is more valuable than money.
(P.186)。