『コピー用紙の裏は使うな!―コスト削減の真実』

『コピー用紙の裏は使うな!―コスト削減の真実』
朝日新聞社出版局
村井 哲之

読後の感想
生まれて初めて、これほど積極的なコスト削減の内容を読みました。考え方が一気に変わりました。
今までコスト削減という言葉はどちらかというと消極的な、内向的なイメージでしたが、実は積極的で攻めのコスト削減が、経営にとって最も簡単に、そして効果的に利益を生み出せることがわかりました。
それと同時に陥りやすい失敗、固定費のように貸借対照表では見えない費用、減らないと思いこみがちな聖域に手を付けることの重要性を理解しました。
もしも実際にコスト削減に取り組むのならば、117ページからの例を参考にしながら取り組めばとっかかりやすいと思います。

著者も何度も書いていますが、売上をあげるよりコストを削減するほうが、確実で効果的です。

まずは、本を参考に自分の生活にも置き換えて考えてみました。
するとやはり削減できるコストが少なくないことに気付き、はっとさせられました。
そして、二回線ある携帯電話の削減と、プロバイダの見直しをしようと決意しました。

このように、コスト削減は常に考え続けないとダメで、惰性のままいっても意味がないんだなぁとしみじみと思いました。

印象的なくだり
大雑把な形での効果の検証を続けてると、せっかくの改善活動の結果が正しく見えなくなります。正しく見えていないと、次なる活動につなげることができません。何が効果があって、何がなかったのか?が、わからないことには次なる手が打てないのです(P020)。

売上をあげるのは至難だが、コスト削減はコストをかけずに行うことができる。正しい考え方の下に推し進めていけば、必ず成果に結びつくのです(P030)。

見えないものが見えたら、勤勉な日本人は大きく変わります。ましてや、そこに目標と評価の仕組み、それもわかりやすい収入に直結したものがあればなおさらやる気が増します。
「見える化」と「共有化」と「明快な分配ルール」は、従業員のモチベーションをも大きく変えたのです
(P033)。

強い組織とはいかなる組織をいうのでしょう?
諸説あると思いますが、私は「経営」と「現場」のすき間が少ない組織
だと思います(P039)。

コスト削減に取り組んでも、いずれは従業員の士気が落ちて継続しない、されない、という”トラウマ”になっている経営者もいますが、そうした経営者に会ってみると、経営者自身のコスト削減に対する価値観や位置づけが低い、ということがよくあります。経営者自身がコスト削減に常にスポットを当て、評価の対象にし続けている企業において、コスト削減が定着しないはずがありません(P074)。

すべてを自社でやろうとする姿勢自体は否定しません。ただ悲しいことに、鏡に映さない限り自分の姿は見えないのと同じで、自らのコスト削減の状況が世間の企業の中でどのあたりに位置するのかを、経費項目ごとにキッチリと描き出すには多くの鏡が必要です(P078)。

コスト削減を推し進めるにあたって、一番大事なことは、まず、自社のコスト構造の全体像(これを”コストの森”と呼びます)をつかむことです(P124)。

金額の多い経費項目から順番に、より細かなデータを収集します(中略)。
この作業の目的は、「削減の優先順位」をつける(どの木から切り倒すのか?の順番を決める)ことです(P125)。

下水道料金は、上水道の使用量がそのまま下水に流れるとみなし、上水道の使用量と同じ量に下水道の料金単価を掛けて計算します。
しかし、実際にはクリーニングタワーやボイラーで蒸発する分や製品用に使った分、清掃や散水でなくなる分など、下水に入らない消失分が少なからずあります。「出口管理」は、そこに目を付け、ビルや工場の排水を一カ所に集める場所に計測器(電子流量計)を設置。実際に下水道本管に入った下水の量を測定し、その実測値を基に下水道料金を支払うという考え方です(P166)。

「現場」は常に、「経営」に対して評価をして欲しいと思っています。もっとはっきり言えば「現場」は「経営」からの評価に飢えています(中略)。
組織の中に「社員を褒める」という仕組みを作る価値が大いにあります(P197)。

「現場は何でわからないんだ!何で伝わっていないんだ」、経営サイドはしばしばこう思いがちですが、こうなったらそこでおしまいです。一生「現場」には伝わりません。
伝わっていないんじゃなくて、伝えられていないのです。徹底して「現場」の目線で伝える努力を繰り返す、もっと言えば、伝わるまで努力することを諦めない姿勢が求められま
す(P200)。

「経営」と「現場」のすき間を埋めて強い組織が作り上げるためには、「経営」の側が考え方を変え、行動を変えて、「現場」に近づいていく必要があります(P200)。

読んでみて、面白かったり役に立ったり、コメントを書くほどではないけど
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