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サラリーマンのためのお金サバイバル術 価格:777円(税込、送料別) |
『サラリーマンのためのお金サバイバル術』
家・車・保険、「人並み」な買い物が破滅を招く
岡本 吏郎
朝日新聞出版
読後の感想
尊敬する山本多津也さんにおすすめされた一冊。
もう僕は三十代なのでとても若いとは言えないかもしれませんが、それでもまだ三十台に読んでおいてよかったと心から思いました。
なぜなら、お金の話はやはり長いスパンで考えたほうが有利だからです。
世の中にお金について書かれた本は星の数ほどありますが、給与所得者向けに書かれた本と銘打っているだけあって、非常に参考になりました。元々持ち家指向はなかったのですが、ますます強くなった気がします。
印象的なくだり
不動産の値上がりが約束されない今、不動産は、株などのリスク資産と何ら変わりはありません。借入れをして株を買うのも、借入れをして不動産を買うのも変わらないのです。違いは、政府が用意している住宅取得控除などの優遇策を適用できるかどうかだけです(P051)。
ところで、住宅は購入と賃貸ではどちらが得か?
(中略)
購入と賃貸のどちらが得かという問題を決定する要素は一つしかないのです。
その要素とは、「不動産の値上がりが期待できるかどうか」(P054)。
仮に、給料月30万円、奥さんと幼い子ども2人と暮らしている人を想定してみましょう。この人が、病気で死んでしまったら、幼い子どもと奥さんは路頭に迷う・・・・・・のでしょうか。
そんなことは、ありません。あの、もの凄い負担を強いられている厚生年金の保険料を払っています。
(中略)
ケースによって金額は違いますが、最大で年250万円、月に20万円ほどの遺族年金が子どもの年齢が18歳になるまで支払われます(遺族年金の額は、子どもの数、在職時の報酬月額によって異なります)。また、子どもが18歳を超えると年金額は急減しますが、それでもいくらかは妻に支払われます(P093)。
12歳から16歳の男の子の日本の伝統的な通過儀礼である元服は、今は中学受験や高校受験に代わりました。そして、子どもが意識的に体験する最初の通過儀礼になりました。現代人が子どもに用意できる大切な通過儀礼が受験です。子どもは、こうした通過儀礼を通して大人になります。と言うか、今は、受験しか通過儀礼がありません。この大事な通過儀礼を適当に通過した子どもの多くは、20代を過ぎても大人になれず、疑似思春期を過ごし続けることになります(P114)。