『15時17分、パリ行き』(The 15:17 to Paris)
あらすじ
2015年8月21日に高速鉄道タリス内で発生したタリス銃乱射事件と事件に立ち向かった3人の若者を描く。監督は、クリント・イーストウッド。主演の3人は、実際にタリス銃乱射事件に巻き込まれた3人を本人役として起用している。キャッチコピーは『その時、3人の若者が乗ったのは運命の列車だった。』
観賞後の感想
クリント・イーストウッドが演出したので、みる前はわくわく。先入観なし。
94分の短いスピード感のある映画かな、と思って鑑賞し始めました。
しかしながら、実際のテロ事件のシーンは15分程度で、映画の大部分は、主人公たちテロリストを制圧した3人の幼なじみの生い立ちについて描かれていました。
登場人物に一人がなぜ軍隊に入ったのか、どうやって知り合ったのか、子供の頃の学校の評判などが、これ以上ないくらいに時間をかけて表現されています。
もちろん、登場人物のバックグランドを丁寧に描くことによって、その人物がなぜその行動を取ったのか、について納得感があり、演出としては非常に素晴らしいとは思います。
しかし一方で、背景を丁寧に描きすぎることに全体の大半を費やしており、実際の事件について尻切れトンボ感は否めない、と感じました。
回顧のシーンを観ている途中で「いったいいつ事件のシーンになるのだろう」と思っていましたし、実際に15分程度で終わったときは「え?これで終わり」とあっけないものを感じました。
映画館で観てたら「こんなの映画じゃない」とちょっと憤慨するかもしれないレベルかも。
ちなみに、本人役で本人が出演しており、映画というよりもドキュメンタリー、再現ドラマに近いです。