光と闇とレンブラント

タイトルは、最近ちょっとずっこけたキャッチコピーより。いや上手いんですけど上手くない感じが最高です(褒めてます

最近、縁あって志賀直哉なんかを読んでいると、しばらくビジネス書的な本ばかりでささくれ立っていた気持ちが緩んでほんわかしてきました。
こう見えても(どう見える?)一応は文学青年だったので、高校生の頃などは一通りの日本文学(塾の先生がリストアップしてくれた読むべき100冊)を読んでいたのですが、ただ読んでいるだけの頃(それでも名著からは多く学べましたが)と違って今は本当に多くの素晴らしさが伝わってきます。
割と頻繁に参加している読書会には一家言有る方が多いので、大きな声では言えませんが、最近谷崎潤一郎の『陰影礼賛』を無性に読みたくなり、手に入れてきました。

「西洋紙の肌は光線を撥ね返すような趣があるが、奉書や唐紙の肌は、柔かい初雪の面のように、ふっくらと光線を中に吸い取る」

僕も本が好きなので、もちろん多くの紙に接したりするのですが、このように紙そのものではなく、光と紙の視点から書かれる文章を見たのは初めてだった気がします。
電子書籍が増えてきて、どんどん紙の本が手に入りにくくなってくる時代が来るかもしれませんが、紙の魅力を伝える文章として大事に取っておこうと思いました。