『そして誰もいなくなった』

『そして誰もいなくなった』

読後の感想(ネタバレあり)

もう何回も読んでいるけど、『インシテミル』がアレだったので
口直しにもう一度読んでみました。
最後に読んだのは高校生くらいなので20年ぶりくらい(笑

いい本は何回読んでも新しい発見があるといいますが
ミステリーの場合は余りそんなことはないですね(当たり前
ただ、どちらかというと、子供の頃には殺害の動機について
はっきりと分かっていなかったように思います。
人生の年月を重ねてようやく、殺人者の気持ちが分かるというのも
「成長」と読んでいいのかどうかは分かりませんが…

この本の影響力はやはり教科書的なミステリーだからだろうなぁと思っています。
舞台は孤島というクローズドサークル(閉鎖空間)、童話に見立てた殺人、
10人のネリティブアメリカンインディアン人形が減っていくという恐怖、
そして「どうせ最後まで生き残ったやつが犯人だろう」という
読者の甘い目論見を粉々に壊す終わり方(そして誰もいなくなった)、
どれもその後の様々な作品に影響を与えるような
素晴らしいものです。

しいて言うなら、「燻製のにしん」「カインの刻印」「マザーグースの童話」など
日本になじみの薄いものは、注釈が欲しかったなぁと、思うところです。
(高校生のときはそのあたりは理解できなかったので)