『すべての情報は1冊の手帳にまとめなさい』

すべての情報は1冊の手帳にまとめなさい
蟹瀬誠一

読後の感想
手帳について書かれた本は大きく分けて二つに分かれます。
一つは、ノウハウについて書かれたもの、そしてもう一つはマインドについて書かれたものです。
タイトルからすると、この本はノウハウ系かな、とも思っていたのですが、実はマインドについての記載のほうが上手くまとまっていました。
本書の中にある、自分の人生は自分でコントロールしているように見ているけど、そんなことはないんだよ、と上手な事例を挙げながら諭していく筆致が素晴らしかったです。
ただ、手帳本の著者は大抵その人自身が手帳マニアなので、「そんなこと実行できるかっ!」という記述が多く見られる傾向にあり、例に漏れずこの本も・・・ズボラな自分にはちょっと実現は無理そうです。
まぁそもそもカレンダーと予定系は全てgoogle calenderに移行している自分にとっては、カレンダー記載のところはいいな、と思うものの移行する程ではなかったです。
あと、表紙には本田直之さん、古市幸雄さん、久恒啓一さん、和田裕美さん、石渡美奈さん、土井英司さん、吉越浩一郎さんと豪華なメンバーが並んでいるのですが、どの方も2,3ページの出演のみで、ちょっと残念でした。再読はありませんね。

目次
1章 「必要な情報がすぐに出る」手帳術!
2章 一目ですべてがわかる、スケジューリング&記録の技術
3章 仕事ができる人は、「この情報」をすべて書く!
4章 手帳を「夢実現」のツールとして利用する!

印象的なくだり

人間とは不思議なもので、オシリが決まってしまうと仕事でも宿題でも、比較的スムーズにこなすことができる。
夏休みの宿題を8月31日ギリギリまでやっていた、という人は多いと思うが、
「31日までひとつも宿題に手を付けなかった」
という人はあまりいないだろう。
どんなにずぼらな人でもたいていは、間に合わないかもしれないと冷や冷やしながらも、家族や友人が協力してくれることを考慮しつつ、「ここまでやっていおけば、31日で終わるかな」という予測を立てながら少しずつ課題を片付けていく。
「締め切り」というものは、一度決まってしまうと意識せずにはいられないからだ(P.090)。

確かに言われてみればそのとおりだw

わたしの手帳には、棋士の羽生善治氏の言葉がメモしてある。
三流は人の話を聞かない。
二流は人の話を聞く。
一流は人の話を聞いて実行する。
超一流は人の話を聞いて工夫する(P.164)。

土井英司さん
今の時代、インターネットによって簡単に人とつながることができます。
本を読んだ上で、一歩先の手間をかけると、読むだけで人と比べてまったく違うコミュニケーションが取れる。
これを活かして差別化するのです(P.185)。

吉越浩一郎さん
仕事に優先順位をつけるのは、効率化するためには不可欠です。
けれど、それを決めるのは社員個人ではなく、本当なら会社が決めなくてはなりません。
誰がいつまでにどの仕事を片づけるべきか―そのデッドラインを会社が社員に与えなければ、社員は仕事に正しい優先順位をつけることができないのです(P.215)。