『ナチスが最も恐れた男』

『ナチスが最も恐れた男』

あらすじ

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
ナチスに立ち向かった伝説の男、マックス・マヌスの闘いを描いた戦争アクション。1940年、フィンランドでロシアとの戦争に参加した後、ノルウェーに帰郷したマックス。そこで彼は、ナチスに占領された故郷の現状を目の当たりにして抵抗運動に参加する。
内容(「Oricon」データベースより)
1940年、青年マックス・マヌスは、反ナチスの思いから、志願してフィンランドでロシアとの戦いに参加した後、ナチ占領下のノルウェーに帰郷する。彼は仲間と共にドイツ占領下で巻き起こっていたレジスタンス<抵抗運動>に加わるも捕まってしまう。しかしすぐに脱出、スコットランドに逃げそこで破壊工作員としての訓練を受ける。第二次大戦下、反ナチス・レジスタンスと実在した破壊工作人を描いた実録戦争アクション巨編。

観賞後の感想
フィンランドやノルウェーの歴史を知らないとよく理解できないでしょうね、この映画。
主人公はノルウェーでは独立の英雄であるマックス・マヌス。
あらすじを読むとノルウェー人ながらフィンランドでソ連と戦ったとあるのですが、これはいわゆる冬戦争の志願兵のことです。

ちょっと話はズレますが、冬戦争のお話。
背景は独ソ不可侵条約です。
鉄鉱石確保のため、ソ連は北欧に圧力をかけてきます。
で、最終的には自作自演で先にフィンランドが攻めてきたと口実を作り、侵入してきます。
兵力差はおよそ四倍で(フィンランド25万人、ソ連100万人)したが、すぐに片付くだろうと高をくくったソ連側は特に冬の準備をせずに攻めてきており、それを逆手に取ったフィンランドの持久戦略で、圧倒的な不利にもかかわらず講話できたという戦争のことです。
(更に脱線するとこの冬戦争を指揮したのはフィンランドの伝説的軍人かつ政治家のマンネルヘイムです)
で、この冬戦争に志願したマックスが、ノルウェーに帰国した、というところから話は始まります。

当時、ノルウェーはナチスに占領されおり、マックスはレジスタンスとして活動します。
その中で、ナチスに追われるというのが物語の骨子です。

戦争映画というよりもヒューマンドラマですね。
主人公ではないですが、市井の登場人物の設定が切ないです。
イギリスの外交官を夫に持つ女性。息子を寄宿舎に入れるものの、戦況が悪化して避難する様子。
ナチスに雇われるノルウェー人のタイピスト。
最初は反感を持ちつつも、将校夫人となり、最後は夫が銃殺されてしまう。

外国の映画に顕著に表れますが、国旗への敬意が随所に見られ、所属意識というものを強く感じます。
国王から勲章を授与されたり、話しかけられたりする場面とかね。

面白い面白くないというよりも、北欧の歴史に興味がないと楽しめない映画のような気がします。