Too many cooks spoil the broth

 多数決について。
 子どもの頃から学級会や選挙など、多数決に慣れ親しみすぎているせいか、多数決について根本的な理解が不十分な気がする。

 多数決という決議方法が正しく機能するためには、幾つかの条件がある。その条件を満たさないで多数決をすると、却って悲惨な状況が多数決から生じてしまう。
 洋の東西を問わず、独裁政権は大抵、高い投票率による選挙により選出されているのは、多数決の方法を(誤って)機能させているからだと思われる(当独裁政権にとっては「正しく」機能しているんだろうけど)。

 まず、決議する内容が一義的に真偽が定まらないこと。
 科学や物理学などの自然界の法則について、多数決がそぐわないのは、正しいものが一つに定まるからである。
 逆に多数決に親しむものは、どちらも正解と為りうるもの。ただ少数派を(積極的に)侵害するようなものも性質的になじまないと思う。

 そして、頭数の価値が平等であること。そうじゃないと、重みの違う少数によって多数を覆すことが出来てしまうから。

 後は、組織とか団体が多数決を望んでいること。望んでいない場合は、衆愚政治になってしまう。多くの構成員が望んでいない場合はどうすべきか?とても難しい問題であるけど、個人的には哲人政治(byプラトン)が正しいと思う。

 多数決・民主主義が素晴らしいなんてのは、幻想に過ぎないのであって、決定方法・政治形態としても愚かであると考えてます。
 じゃあ、なんで多くの国は民主制を採り、多数決によって決議しているのか?

 それは、他の方法よりも、まだ「まし」だからでしょう(笑

 つまり、多数決は「正しい」のではなく、他の方法よりも「誤りが少ない」ということ。