レバレッジ・シンキング

レバレッジ・シンキング
本田直之

読後の感想
 シンキングというのは、本当は実践するためには何が必要なのか、という考え方を指しているのだと感じた。
 単なる考え方にとどまるのではなく、実行してこそ初めて価値がある、というのが全体の骨子。
 相変わらずサクっと読めてしまう内容でした。

実践できるくだり
 「やろうか、やるまいか」と考えると結局やらなくなってしまうので、どうしたら、そんなことを考えなくても行動できるようになるのか、物事を続けられるのか、近道を見つけて進むことができるのか、といったことを考える中で出来たのが、労力のレバレッジです。

 一つ目は、仕組み化です。そのメリットは再現性があって、繰り返せることにあり、一度構築すれば、次回から行動する際に毎回一から考えずに済みます。
 わたしは出張の際に何を持っていくかもチェックリストにしています(P049)。
 二つ目は、無意識化・習慣化です。
 三つ目は、KSF(キー・サクセス・ファクター)を見つけ出すことです。どんなに一生懸命効率的にやってもポイントがずれていたら、時間や労力の無駄になります。
 成果に結びつくにはどうしたらよいのか見極めが必要です。

 KSFを見つける能力は、どうしたら身につくのでしょうか。
 これにはある程度の経験が大切です。KSFを見つける能力は一定量の仕事の経験から身につきます。
 限界に達したところで見えてくるケースもあります。
 仕事をするときには、必ずKSFは何かを意識してください。
 他には、前例を調べる。
 うまくやっている先輩などに聞く。(P065)。

印象的なくだり
 ゴールを明確に描く最大のメリットは、選択力が身につくことです。
 自分にとって何が大切で、何が大切でないかがわかるようになります。
 余計なことをしなくなり、時間、労力、お金の無駄がなくなります(P029)。

 ちなみに、わたしはやるべき仕事を。他動詞的に「やらされる」という語感の「To Do」ではなく、「自発的に請け負った仕事」という意味のある「タスク」という言葉を用いています。
 これもアクティブとパッシブの発想です(P033)。

 「労力資産」「時間資産」「知識資産」「人脈資産」とこれらをパーソナルキャピタルと呼びます(P019)。

 ただ一つ注意してほしいのは、パーソナルキャピタルには目もくれず、マインドだけ高めてしまう人がたくさんいるということです。
 そういう人は、自己啓発をテーマにしたビジネス書を多読していることが多いようです。
 わたしも自己啓発書を読むのは好きで、良い本に出会うと、仕事仲間や友人に勧めるのですが、そうした中で、自己啓発書を読んでも成果が上がらない人がいることに気づきました。
 その理由は、マインドが高まってもパーソナルキャピタルを増やす努力をしていないから、思うような成果が上がらないのです。
 マインドは資産ではありませんので、残念ながら空回りだけしてしまうのです(P028)。