朝日新聞より
法務省は、司法試験合格者を2010年までに年間3000人にし、その後も増やすことを検討するという政府の計画について、現状を検証したうえで内容を見直す方針を固めた。合格者の急増による「質の低下」を懸念する声が相次いでいることに危機感を募らせたためで、「年間3000人は多すぎる」との持論を展開している鳩山法相の意向も受け、年度内にも省内で検討を始める。同省が慎重路線にかじを切ることで、今後の検討内容によっては現在の「3000人計画」が変更され、合格者数を減少させる方向に転じる可能性も出てきた。
裁判官、検察官、弁護士を合わせた法曹人口は約2万9千人。政府は司法制度改革審議会の報告をもとに02年3月、3000人計画を盛り込んだ司法制度改革推進計画を閣議決定。将来の法曹人口について、審議会は3000人計画の実施を前提に「18年ごろまでには実働法曹人口が5万人規模に達することが見込まれる」と予測していた。
しかし最近、一部の弁護士会が「就職難が起きている」「質が低下する」といった理由で計画への反対を表明。実際に、司法研修所の卒業試験の不合格者が増えたことなどから、法務省内にも「質の維持や需要動向が当初の予測通りでないなら、計画を変えるしかない」との考えが広がっている。
こうしたなか、政府が今春、閣議決定する予定の「規制改革3カ年計画」の改定では、法務省の働きかけにより、法曹人口の拡大について「社会的需要を踏まえた慎重な検討」を促す文言が初めて盛り込まれる見通しとなった。
法務省は「3カ年計画」の改定を受ける形で省内に検討組織を設け、本格的な見直しを始める予定だ。(1)司法試験の結果などから、質の低下を見てとれるのか(2)企業や自治体などが弁護士を雇用するという需要はどの程度あるのか(3)増員が、法律家がいない地域の解消につながるのか――といった項目を検証。10年以降に合格者数を減少に転じさせることも選択肢に含めて検討を進める。
日本弁護士連合会や法科大学院を所管する文部科学省など、関係機関による検討の場をつくることも想定している。
ただ、計画が変更された場合、法科大学院の入学希望者にも大きな影響が生じることから、法曹志願者や法科大学院関係者からの強い批判も予想される。法務省幹部の一人は「実際に数を減らすのは先でも、結論は早めに出さなければいけない」と話している。
記事は全国紙だと朝日新聞だけ?
なんというか、人の人生をおもちゃにしないで、と。
人数増やしたり減らしたりと、数年でやるな、と。質の低下?とかやる前から(丙案導入時から)言われてたことじゃないの?
鳩山の意向?死刑を自動的に、なんて刑の執行に責任をもてないような法務大臣の意向について意味があるのかね。これを言っちゃオシマイだけど、黙って蝶でも採ってろ。
ちょっとクールダウン。
結局資格試験の職業は、国家の政策の範囲の中でしか存続できないとはいえ、数年でちょこちょこ施策を変えられるのはなぁ。増やせ増やせと宮内が大声で言ったから、増やしてみたら、今度は減らせと。風呂のお湯の温度じゃないんだから。
この記事を受けて、来年度から新司法試験の受験者数は増えるし(今年の出願は締め切っているので)、旧試験の出願者(こちらはまだ出願可能)も増えると思う。新司法試験なんて回数制限あるんだから、翻弄されるのは厳しいよね、ほんとに。
それにしてもいい時期に記事が出たね。怒りでテンションマックスです。今年の上半期はこのテンションで乗り切る(笑
文中の人物は敬称略。