『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』

『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』
ダイヤモンド社
勝間 和代

読後の感想
読まずに批判するのはどうなんだろうなぁ、という意識で読み始めた勝間和代さんの本も今回で三冊目(しかもあと二冊買ってある)。
もはやむしろカツマー的な人よりも詳しくなりつつあるんだけど、やはり今回も各論同意の総論不同意の内容でした。
たとえて言うなら、やりたくもないゲームの攻略本を最初から読まされている感じでしょうか。要するに「これをやればうまくいく」という羅列であって、著者が読者に何を伝えたいかという点で言うと、実は勝間さんは何にも伝えたいことはナイのではないかと思う節さえある。つまるところ本には著者の主張がない。
これは、彼女にとってあくまでも効率化は手段であるはずなのに、いつのまにか目的化している節があるからであると思う(この「本を書くこと」が目的であるように)。

あ、でも巻末の読むべきリストは結構いいものをピックアップしていると思いますので、これはアリだと思います。

まぁ、なんにせよ、勝間さんに足りないものは本とか著者とか他人に対する「愛」だよなぁ、やっぱ(笑

印象的なくだり
聞くのは恥ずかしいとか、聞くと相手の迷惑になるのではないかと思って、仕事のやり方を聞くことを躊躇してしまう方もいると思いますが、
あなたの効率が上がることで、相手もラクになり、組織全体がラクになるということがわかってもらえれば、相手も気持ちよく協力してくれるでしょう。
相手からうまくベスト・プラクティスを引っ張り出す能力も、大事な情報収集力です(P.081)。

まあ、もう1つのコツとしては、本をじっくり読まないということです。
あまり欲張って、1つの本でわかろうとせず、1つの本から搾りとろうとせずに、パーッと読んで、まずは自分の興味がある部分、わかりやすい部分を抽出して読んでしまいます。
本を読む前に、「なぜこの本を読むのか。この本から何を得ようとするのか」という課題を設定してしまうのです(P.094)。

新しい手法を覚えること自体、とてもワクワクする体験ですし、万一ダメでも、失うものは何もないので、どんどんトライしてみてください(P.126)。

情報処理のプロ集団であるマッキンゼーに入社した時にはじめて教わったのは、情報には「空、雨、傘の3段階がある」ということでした。
自分メディアで情報を考える際には、いま手に入った情報が、空、雨、傘のどこに位置づけられるのか、と考えておくととても便利です。
「空」というのは私たちが空を見上げた時の事実です。雲が出てきたら、「空が曇ってきた」という事実になります。
「雨」というのは、その空を見た時の私たちの解釈を指します。すなわち、「雨雲が出てきたので、雨が降りそうだ」と解釈を重ねるわけです。
最後の「傘」というのは、その解釈に対しての行動を指します。すなわち、「雨が降りそうだから、傘を持っていこう」という行動に結びつくわけです。
この訓練がないと、自分メディアで手に入れた情報が客観的なものなのか、自分の主観が入ったものなのかゴチャゴチャになってしまいます。
また、マスメディアの問題点は、「空・雨・傘」のうち、空がどれだけ客観的なものかがわからないまま、雨や傘を提示されるので、私たちは騙されてしまうし、混乱もするのです(P.146)。

相手がこちらに情報を共有することが、相手にとっても得になるような魅力をこちらが兼ね備えていればいいわけです。情報のいいところは、どんなに共有しても減りませんので、互いに持っている情報を交換するだけで、自分も相手もウィン・ウィンになることができます(P148)。

読書投資法
1,本は著者との対話。対話しているつもりで読む。
2,すぐに読まない本でも、とりあえず買っておく。買わない本は読まない。
3,5,000円以内の本は迷わず買う。飲み代1回分だと思えば惜しくない
4,自分のテーマのアンテナを張っておくと、自ずと必要な本が目に入ってくる
5,ベストセラーは読みやすいが、中身が濃いとは限らない。良書は自分で探す
6,保管しておくのは買った本の10分の1でいい。大事なのは頭の中に残していくこと
7,本を読む時は速読スキルを含め、スピード最優先。線引きやまとめ書きなど面倒なことはしない(P154)。

本の行間の中で、相手が本当に訴えたいことは何なのか、それが本当に自分のこれまでの知識の中に100%収まってしまうことなのか、よくすりあわせをしていきます。私たちが人と対話をしていて、すべてが自分の知識内にあるということが少ないように、本を読んでいて、本当に新しいことがないということは少ないはずなのです。
逆に、それが見つからないということは、読み方が浅いか、自分の浅い知識にこだわりすぎていて、新しいことを見失っている可能性があるのです(P155)。

この「再現性」というのは1つのキーワードで、ハードカバーのしっかりとした証拠に基づいた本は、私たちに再現性をもたらしてくれます。再現性の有無は、良書の目安の1つです(P158)。

1,相手がどのくらいわかっているのか。相手の理解度はどこまでなのか。相手にどこから説明すべきなのか。相手のレベルをよく理解して、まずは共通のイメージを捉えてから説明する。
2,ロジカルに分解して、説明するクセをつける。それは「空・雨・傘」でもいいし、よくコンサルタントがいう「それは3つあります」でもかまわない(P188)。

照屋華子+岡田恵子「ロジカル・シンキング」東洋経済新報社(P188)。

本の書評サイトは数多くありますが、ファンをつかんでいるサイトは単なる本の要約に終わっていません。読者として著者からどのようなメッセージを受け取ったのか、他の人がその本を読む時に、どのようなところが読みどころなのか、関連する本としては何を読めばいいのか、など豊富なメッセージが加わっているのです(P255)。

勝間流・メール交換5つの心得
2,メールでは相手との心の架け橋(ラポール)を築きます。まずは、相手への呼びかけではじまり、相手が聞きたいことの話をして、相手とのラポールを築いてから、自分の用件に入ります。「○○さん、こんにちは、××です」と呼びかけのあるメールと、「××です、△△の件について」と呼びかけがないメールでは印象がまったく異なります(P258)。

読んでみて、面白かったり役に立ったり、コメントを書くほどではないけど
あなたにとって、何かしらプラスがあったら

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