『起きていることはすべて正しい』

『起きていることはすべて正しい』-勝間和代

目次
はじめに ”メンタル筋力”と「運をつかむ勝間式4つの技術
第1章 「偶然を幸運に変える」セレンディピティの技術
第2章 あなたの潜在意識が目覚める!脳内フレーム120%活用法
第3章 「99%捨て、1%の本質をつかむ」即断即決法
第4章 「4つのダイヤ」を引き寄せるパーソナル資産増強法
第5章 勝間式人間関係の兵法-「5つのわがまま力」で年収が20倍になった秘密
おわりに 起きていることはすべて正しい

読後の感想
カツマーブームが去って、忌憚なく読むと割と良かった(笑
感想はこの一文に集約されています。

最後になりますが、こういった幸運を呼び込む力は、決して「勝間和代だけができた」「勝間和代だからできた」のではありません。ほんのちょっとした考え方の違い、習慣の違いであり、また、技術の違いで誰もができることだと確信しています。
どうやって、「起きていることはすべて正しい」と正面から事実を受け止め、潜在意識を活用し、即断即決し、自分の経験として蓄積し、そして周囲と調和しながら社会に貢献できる道を探していくのか、この繰り返しが私たちのメンタル筋力を強くし、不幸に遭遇したときの瞬発力を高め、幸運に、実力にと変化させていくのです(P.326)。

そりゃあ、本文に書かれていることを徹底してやれば勝間さんじゃなくても出来るでしょうが、これほど徹底してやる人は一般の人には無理です(そのほかの日常生活に支障が生じます)。
前提条件の違いなのか、はたまた覚悟の違いなのか分かりませんが、誰でもできるは言い過ぎです。

抜書の多さから察するに、勝間さんのこと意外と嫌いでない可能性があります(笑

印象的なくだり

本を読むということは、先人の経験を疑似体験することだと思っています。その場合には、
1.自分の知らないことを知る
2.すでに知っていることだけれども、より深く理解する
3.経験したこと、ぼんやりとわかっていることだけれども、それをスッキリと「言葉」や「手法」の形でまとめてもらう
など、何らかの付加価値が読者の方にとって必要だと考えています(P.005)。

「単なる疑似体験」にとどまらずきちんと分析すると、僕は2.が多いかもしれないなと思います。ちゃんと統計とって見るときっと違うんだろうな~。

具体的には、私が20代の頃、まずひきこもらずに、何か問題が起きたときに解決する初歩的な手法は下記の3つの手段です。
1.まずは自分が抱えている問題は何か、正面から向き合って定義をすること
2.その問題を、信頼できる他人(直接の知り合いか、場合によっては本の著者でもいい)に開示して、どうしたらいいかとアドバイスを求め、それを愚直に実行する習慣をつけること
3.1と2を繰り返すことで、だんだんと解ける問題の範囲を広げていき、解決策のカードをたくさん集めることで、新しい問題が起きたときにパニックに陥らず、問題解決に気持ちを向かわせること。
もちろん、最初に問題を他人に開示するということは勇気が必要だと思います。
しかし、私もこのような本を書いてみなさんの問題解決の手助けをしようとしていますし、多くの人が他人の問題解決を手伝うということは、相手のホッとした顔、喜ぶ顔、成長した姿を見ることで、相手の役に立ちたいというのは、人間の根源的な喜びです。ですから、ぜひ、恐れずに、周りの人に力を借りてほしいなと思います。そして、私たちも、力を貸せるときには積極的に他の人に力を貸すようにしたいのです(P.045)。

困ったときの対処法としての抜書。意外とできるようで、できないと思います。
逆に誰かの手助けをする際には、アドバイスのコツとして覚えておこうと思いました。かつで仕事で人事採用の面接をしていた際に「お客様(や困った人)の手助けがしたいんです」と主張していた志望者に、「どのように手助けがしたいのですか?」と尋ねたら、みんな軒並み口を噤んでしまっていたことを思い出しました。

技術を支える4つの要件
ここで「技術」と私が呼んでいるものは何かと言うと、以下の4つの要件を備えている行動習慣を想定しています。
1.再現性高く実現でき、
2.継続可能で、
3.比較的早期から効果が現れ、
4.長期に効果が持続するもの
「再現性が高い」というのは、人によって効果がある人もそうでない人もいるというのではなく、実行したほぼ大半の人に効果が出るというものです。
「継続可能」というのは、日常の習慣の中に落とし込みやすいものです。
「早期から効果が現れる」というのは、数日から長くても数週間のうちに効果が実感できるものです。
そして、「長期に効果が持続する」とは、その効果が頭打ちにならずに、続ければ続けるほど、効果がより増し、持続するものを指します(P.058)。

私がなぜ批判をしないかと言うと、2つの理由があります。
1つには、自分の現在の読書力が絶対でないと思っているからです。本当はすばらしい本なのに、私が見逃している可能性があります。それなのに、その本をつまらないと批判してしまうのは、相手に対して失礼です。
もう1つの理由は、その批判をしたとしても、私の運命過程の成長パスがよくならないからです。良書のいいところを吸収して、それをこれからの自分のディシジョン・ツリーの中の判断材料に用いて強化をすることで、運命過程の成長パスがスパイラル的にらせん状に上がり、好循環になることを狙います(P.094)。

む、前者は一部同意で後者は不同意ですね。確かに、僕の読書力なんてたかが知れているので、著者に対して失礼に当たることも書いている可能性が高いですが、それは自分の今のレベルでの理解度をアウトプットすることで、後々読み返すことにより成長を実感するために書いています。つまるところ、○年前の自分はこの程度しか理解してなかったのか…とするために書く意味があると思います。後者はなんでしょうね。悪書の悪いところだけを排除することにより、これからの自分のディシジョン・ツリーの中の反面教師とすることによって、運命過程の成長阻害要素を排除でき、悪循環を防ぐこともできるのでは?(もちろん僕自身も何を意味しているか、良く理解していません
勝間さんの素晴らしいところは、非常に分かり易い文章の後に、落差のある文章を持ってくることで、ギャップを最大限に利用していることだと思います(ニヤリ

よく「忘れてしまう」と言いますが、どちらかと言うと、忘れたのではなく、想起できなくなっている、思い出せなくなっているのです。「想起できない」と「忘れる」というのは違うことで、忘れるというのは、どんなきっかけがあっても出てこないのですが、想起できないというのは、ちょっとしたきっかけがあれば、内容が表に出てくることです。
したがって、データベースに収納したことは、あまり忘れることはないので、逆に思い出せるようにタグをつけるほうが重要なプロセスになります。だからこそ、フレームワークとかインデックスとか、いろいろは言い方をこれまでしてきましたが、ヒモづけをすることが大事になります。
なるべく、いろいろな言葉を知っていたほうがいいというのも、私たちが認識しているものに対してタグづけがしやすくなり、想起しやすくなるためです(P.118)。

これは非常に分かり易い表現だと思います。
箱にしまったのは覚えているけど、どの箱に入れたか分からない状況をいうのでしょうか。
タグづけ、ヒモづけは非常に有用であることを実感したエピソードがあります。二十歳くらいのころ、一人で韓国に旅行に行ったのですが、旅行中ずっとシンディー・ローパーをヘッドフォンで聴いていました。すると、その後シンディー・ローパーを聞くたびに、旅行中に行ったあの町やお店、空気の感じやにおいまで鮮やかに蘇ってきたのです。
というわけで、ヒモづけが大事だというお話と、タグづけを間違えるとえらいことになるという教訓でした。

セレンディピティ=「与えられた機会を最大限に活かす」技術
すべてにおいて制限された環境や条件があり、その人が他の人よりも有利なことも不利なこともあります。しかし、万能薬や魔法の杖を探すよりは、与えられたものを使い尽くす、やり尽くす、ということが重要です(P.120)。

相手に対して不満や要望があるときには、まず何が不満かを丁寧に伝え、相手にこんな行動をしてほしいということを伝えます。
そして、こうした要望について、相手が理解せずに同じような問題を繰り返す場合、数回までは我慢して相手の改善要望を出しますが、それでも改善しない場合には、その相手とはなるべくつき合わないようにすることが無難です。
なぜなら、それは相手と自分の相性が悪いか、あるいは相手に学習能力がないので、つき合うだけこちらの人生の無駄になる可能性が高いからです、
私たちは、時間や会える人数も限られているので、わざわざ自分の三毒を呼び起こすような人とはつき合わないほうがいいのです。もちろん、仕事上、どうしてもつき合わなければならない人もいますが、そういう人とは、接触時間を少なくする努力をします(P.133)。

小さい頃から人に嫌われてはいけないと、繰り返し教育されてきたために、人に嫌われてはいけないという呪縛が、私たちを捨てる技術から遠ざけてきたのです。
しかし、人に嫌われないようにすることで、自分の優先順位がおろそかになり、結果として、誰にも価値を与えられないようになってしまうことは、私たちを育ててくれた親にも、いろいろサポートしてくれた社会にも、かえって申し訳ないことです。
私たちは1人で生きているのではないからこそ、自分の得意なことを見極め、自分が得意でないことについてはなるべく時間を使わないようにすることが、自分に対しても相手に対しても誠実な生き方となります(P.165)。

大石さんからずっと教わってきた効率化というのは、やることを効率化するのではなく、やることを「減らす」ことが1番の効率化だということです。これを、呪文のように言われてきました。
とにかく、やることを効率化するだけでは前に進まないので、優先順位の第1は、やるべきことの量自体を減らすということだけです(P.172)。

やるべきことを増やすのはとても簡単だ。でも減らすのは本当に難しいし、苦しい。しかもやめた後に、本当にやらなくていいのか?という強迫観念が襲ってくるというおまけつき。

1%の本質を残せる人はどこが違うのか
アイデアについては、やはり「garbage in , garbage out」とよく言っていますが、いい人やいい情報との出合いに尽きます。とにかく、人とよく会って、よい本をたくさん読んで、自分でよく考えることです。
たとえば、ランチミーティングはアイデア発想の宝庫です。
読書にしろ、人に会うにしろ、とにかく自分の人生は1回しかないため、その濃度を増やすには、他の人から疑似体験をするしかないのです。
この本もある意味、私の人生をみなさんに疑似体験していただいているのですが、どうやって疑似体験するかと言うと、人の話を聴く、人の本を詠む、あるいはブログを読む、雑誌でインタビュー記事を読むなど、ひたすら人の体験をコピーするしかないのです。
その中で自分の体験と人の体験が混ざり合ったときに初めて「ああこれなんだ」というアイデアが出てくるのです。
したがって、疑似体験だけは不十分で、そこに自分の体験が重なって初めて、「ああ、これか」という「A-ha体験」が生まれます。
「捨てられない人は、圧倒的にインプットの量が足りない」というのが私の考えです。
大量の情報のインプットの中で、捨てて、さらに捨てて、その結果として、インプット5対アウトプット5が実現できます。
人の体験を疑似体験し、自分の経験と化学反応が起きたら、その反応を早めに言葉にしたり、行動に落として、体感し、身につけていきます。
行動に落とす方法は人に話しても、ブログに書いても、本にして出版してもいいのです。行動に落とすほうも簡単で、とにかくやってみる、ということです。
うまくいっている人、チャンスをつかんでいる人の特長は、行動が早く、インプットもアウトプットも大きいということです(P.210)。

ちょっと長いけど非常に響いたので引用。僕自身は捨てられない人を自認しているわけですが、ここではインプットの量が圧倒的に足りないと評されています。むむむ。

『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』

『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』
ダイヤモンド社
勝間 和代

読後の感想
読まずに批判するのはどうなんだろうなぁ、という意識で読み始めた勝間和代さんの本も今回で三冊目(しかもあと二冊買ってある)。
もはやむしろカツマー的な人よりも詳しくなりつつあるんだけど、やはり今回も各論同意の総論不同意の内容でした。
たとえて言うなら、やりたくもないゲームの攻略本を最初から読まされている感じでしょうか。要するに「これをやればうまくいく」という羅列であって、著者が読者に何を伝えたいかという点で言うと、実は勝間さんは何にも伝えたいことはナイのではないかと思う節さえある。つまるところ本には著者の主張がない。
これは、彼女にとってあくまでも効率化は手段であるはずなのに、いつのまにか目的化している節があるからであると思う(この「本を書くこと」が目的であるように)。

あ、でも巻末の読むべきリストは結構いいものをピックアップしていると思いますので、これはアリだと思います。

まぁ、なんにせよ、勝間さんに足りないものは本とか著者とか他人に対する「愛」だよなぁ、やっぱ(笑

印象的なくだり
聞くのは恥ずかしいとか、聞くと相手の迷惑になるのではないかと思って、仕事のやり方を聞くことを躊躇してしまう方もいると思いますが、
あなたの効率が上がることで、相手もラクになり、組織全体がラクになるということがわかってもらえれば、相手も気持ちよく協力してくれるでしょう。
相手からうまくベスト・プラクティスを引っ張り出す能力も、大事な情報収集力です(P.081)。

まあ、もう1つのコツとしては、本をじっくり読まないということです。
あまり欲張って、1つの本でわかろうとせず、1つの本から搾りとろうとせずに、パーッと読んで、まずは自分の興味がある部分、わかりやすい部分を抽出して読んでしまいます。
本を読む前に、「なぜこの本を読むのか。この本から何を得ようとするのか」という課題を設定してしまうのです(P.094)。

新しい手法を覚えること自体、とてもワクワクする体験ですし、万一ダメでも、失うものは何もないので、どんどんトライしてみてください(P.126)。

情報処理のプロ集団であるマッキンゼーに入社した時にはじめて教わったのは、情報には「空、雨、傘の3段階がある」ということでした。
自分メディアで情報を考える際には、いま手に入った情報が、空、雨、傘のどこに位置づけられるのか、と考えておくととても便利です。
「空」というのは私たちが空を見上げた時の事実です。雲が出てきたら、「空が曇ってきた」という事実になります。
「雨」というのは、その空を見た時の私たちの解釈を指します。すなわち、「雨雲が出てきたので、雨が降りそうだ」と解釈を重ねるわけです。
最後の「傘」というのは、その解釈に対しての行動を指します。すなわち、「雨が降りそうだから、傘を持っていこう」という行動に結びつくわけです。
この訓練がないと、自分メディアで手に入れた情報が客観的なものなのか、自分の主観が入ったものなのかゴチャゴチャになってしまいます。
また、マスメディアの問題点は、「空・雨・傘」のうち、空がどれだけ客観的なものかがわからないまま、雨や傘を提示されるので、私たちは騙されてしまうし、混乱もするのです(P.146)。

相手がこちらに情報を共有することが、相手にとっても得になるような魅力をこちらが兼ね備えていればいいわけです。情報のいいところは、どんなに共有しても減りませんので、互いに持っている情報を交換するだけで、自分も相手もウィン・ウィンになることができます(P148)。

読書投資法
1,本は著者との対話。対話しているつもりで読む。
2,すぐに読まない本でも、とりあえず買っておく。買わない本は読まない。
3,5,000円以内の本は迷わず買う。飲み代1回分だと思えば惜しくない
4,自分のテーマのアンテナを張っておくと、自ずと必要な本が目に入ってくる
5,ベストセラーは読みやすいが、中身が濃いとは限らない。良書は自分で探す
6,保管しておくのは買った本の10分の1でいい。大事なのは頭の中に残していくこと
7,本を読む時は速読スキルを含め、スピード最優先。線引きやまとめ書きなど面倒なことはしない(P154)。

本の行間の中で、相手が本当に訴えたいことは何なのか、それが本当に自分のこれまでの知識の中に100%収まってしまうことなのか、よくすりあわせをしていきます。私たちが人と対話をしていて、すべてが自分の知識内にあるということが少ないように、本を読んでいて、本当に新しいことがないということは少ないはずなのです。
逆に、それが見つからないということは、読み方が浅いか、自分の浅い知識にこだわりすぎていて、新しいことを見失っている可能性があるのです(P155)。

この「再現性」というのは1つのキーワードで、ハードカバーのしっかりとした証拠に基づいた本は、私たちに再現性をもたらしてくれます。再現性の有無は、良書の目安の1つです(P158)。

1,相手がどのくらいわかっているのか。相手の理解度はどこまでなのか。相手にどこから説明すべきなのか。相手のレベルをよく理解して、まずは共通のイメージを捉えてから説明する。
2,ロジカルに分解して、説明するクセをつける。それは「空・雨・傘」でもいいし、よくコンサルタントがいう「それは3つあります」でもかまわない(P188)。

照屋華子+岡田恵子「ロジカル・シンキング」東洋経済新報社(P188)。

本の書評サイトは数多くありますが、ファンをつかんでいるサイトは単なる本の要約に終わっていません。読者として著者からどのようなメッセージを受け取ったのか、他の人がその本を読む時に、どのようなところが読みどころなのか、関連する本としては何を読めばいいのか、など豊富なメッセージが加わっているのです(P255)。

勝間流・メール交換5つの心得
2,メールでは相手との心の架け橋(ラポール)を築きます。まずは、相手への呼びかけではじまり、相手が聞きたいことの話をして、相手とのラポールを築いてから、自分の用件に入ります。「○○さん、こんにちは、××です」と呼びかけのあるメールと、「××です、△△の件について」と呼びかけがないメールでは印象がまったく異なります(P258)。

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『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』

『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』
光文社
勝間和代

読後の感想
別の経済の本を読んでいて、書評に参考図書として挙がっていたので読んでみました。
以前、自己啓発系でひどい目に遭っていたので(笑)、身構えていましたが、経済の本は流石に分かりやすかったです。
なにげに実行しやすいことを中心に書いており、他の本よりは丁寧なつくりだと感じました。
ただ、この本のメッセージを正しく受け取らないとたいへんなことになるのは間違いないようです。生兵法は怪我のもと。
リスクの分散については、もっと丁寧に書いてほしかったです。

印象的なくだり
株式投資は主にファンダメンタルズ分析とチャート分析によって行われます。ファンダメンタルズ分析とは、企業の業績や株価などを用いた投資指標によって株価が割高か割安かを分析すること、チャート分析とは、チャートパターンやテクニカルチャートを利用することで株価動向を分析することです。
(中略)
会計利益の将来期待の大きさの割に株価が安い会社に投資することは、統計的には勝つ可能性が高い「投資」(リスク)になりますが、チャート分析を使って株式投資をすることは単なる「賭け」(危険)になります(P049)。

「円の金利の標準は国際の金利で決まる」「金利は通常、期間が長くなるほど
高くなる」「信用リスクがあるところの金利は、国際の金利よりも高い」という三つの基本的なポイントを押さえておけば、なにか特別な理由がない限り、不利な定期預金にお金を預けることは少なくなると思います(P072)。

借り主である私たちにとって分の悪いものがなぜそれでも成り立っていたかというと、これまえは投資した住宅が購入価格以上に値上がりしていたため、負債側が多少の利ザヤを銀行に支払ったとしても、資産側のリターンがそれを上回ることによって問題とならなかったのです(P096)。

一般的に買ってはいけない住宅の最たるものが、新築マンションです。特に、大規模な宣伝を行っているような大型分譲の新築マンションは注意をしてください。
新築マンションをなぜ買ってはいけないかというと、新築には必ずその建築業者の利ザヤが多く乗っているためです。購入価格のだいたい20~30%ぐらいは、その新築マンションの広告費や粗利益であると考えていいでしょう。したがって、新築マンションー例えば4000万円のマンションだとしたらーを市価で転売しようとした瞬間に3000万円前後でしか売れないような、買った瞬間に値が下がるケースが多いのです。新築マンションはその1000万円分の儲けで、モデルルーム代やチラシ代、セールスマンの人件費までまかなっているのです(P100)。

電車広告は費用対効果が図りにくいため、比較的宣伝費に余裕のある企業によって行われているのですが、電車広告を見渡してみると、中吊り以外のドアの上にあるような長期契約な必要な広告については、住宅、消費者金融、それに教育関係によって多くのスペースが占められています。費用対効果が分かりにくいにもかかわらず、なぜそれだけ大きな広告費を使えるのかといえば、それだけ使ったとしても儲かるものだからです(P106)。

住宅ローンは、銀行や政府、住宅メーカーが、それを組む人を必要とするから煽るのだという説明を前にしました。これと同じように、株式なども、証券会社や機関投資家が個人投資家を必要としています。なぜなら、損をしてくれる人、つまり”カモ”がいないと機関投資家が得をできないためです。したがって、こうした「○○○○で簡単に儲かる」といった本が多く出回っている背景には、すぐに儲けたいと思う個人の弱い心を利用して、それを煽ることで儲けようとしてる構造があるのかもしれません。いずれにせよ、そんな簡単に儲かるのだったら、たかだか1000円か2000円の本でそのノウハウを教えてくれるはずがないという考え方が健全だと思います(P128)。

債権と株式、どちらの方が、今後リターンがよくなるかということについては一概にはいえません。歴史的に見て、過去20年くらいは株式のリターンが債権のリターンを上回ってきたため、逆に債権の方が株式よりもリターンが高くなることが統計上は考えられます。ただ、分からないときには、ほぼ同額を分散するのが一番リスクが少ない方法になります(P177)。

『読書進化論』

『読書進化論』~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~
(小学館101新書)
勝間和代
小学館

読後の感想
まだ読書の習慣が身についていない人をターゲットとした本だったので、自分には不向きでした。同様の内容なら本田直之さんの『レバレッジ・リーディング』のほうがオススメです。

印象的なくだり
神田さんの本では、「非常識な成功法則」が初めて読んだ本です。神田さんの本のいいところは、読み手がアドバイスを実行したときの、成果の再現性がすごく高いことでしょう(P053)。

私は本を手にしたら、帯、目次、「はじめに」、「おわりに」をざっと読みます。すると本のおおよその構造とメインのテーマがわかります。まず、概要を見て、本の全体像を理解し、その本のフレームワークをつかまえにいきます。そのため、フレームワークが見えないか、はっきりしない本は、正直、私にとってはとても読みにくいのです。もちろん、楽しむために読むエッセイや小説などは別です。
しかし、知識を得るために読む、情報を得るために読む、今考えていることを整理するためのフレームワークを探す、というようなことが読書の目的のときには、本の構造を知らなければ、よい読書体験を期待することはなかなかできません(P073)。

書く技術というのは、「相手がわかやすく読みやすく書く」ための技術です。読みにくい本は、本人だけが、わかっているように書いてしまっているものです。そうではなく、わかっていない他人にもわかってもらえるように、やさしく、面白く、しかし深く書くことが技術になります。私はこれを「難しいことはわかりやすく」「わかりやすいことは面白く」「面白いことは深く」という表現で習ってきました。
わかりやすく書く基本的な共通技術はいくつかありますが、ここでは4つ紹介しましょう技術1「自分の事例」「アンソロジー形式」を利用して親しみを持たせる
技術2「役に立つフレーズ」を必ず入れ、読書だけに体験を閉じない
技術3「共通体験」や「流通していることば」を使って行動を促す
技術4「コンテンツ力」と「編集力」で進化していく(P135-136)。

行動を起こすときは、時間的なコストもお金のコストもかかりますから、それに対する見返りが想定できないと始められないのです。その見返りのイメージを、しっかりと伝えていくわけです(P145)。

「週刊ダイアモンド」でαブロガーの小飼弾さんと対談したときに、ウェブ広告の話になったのですが、ウェブの広告はものすごく低価格だということで盛り上がりました。
ウェブの人たちは、ある意味、値付けを間違えたのです。アドワーズ広告1クリック7円は、コストから逆算してつけてしまったのですが、実は競合商品を考えると1回70円でもよかったのです。なぜなら、DM1通郵送するのに100円くらいかかるわけですから。ところがいったん下げたものは、上がりません(P202ー203)。

類似の本と感想
『レバレッジ・リーディング』本田直之 感想はこちら

似てくるの?

 最近勝間和代さんを紙面でお見かけする機会が多いのだが、そのたびにある友人(仮にTさんとする)を思い出す。

 そのTさん、勝間さんにすげぇぇ~~似てるんだよね、とっても。

 経歴とか性格とか、しかも顔や雰囲気までそっくり。いつも勝間さんを見るとドキッとする(笑

 向上心の強い、活発な女性って似てくるのかなぁ??