『TIME HACKS!』
東洋経済新報社
小山龍介
読後の感想
若干小手先の技術の感が否めないですけど、この本に書かれていることの多くが「同じ努力で効果をあげる」という点に着目しており、この手の本にありがちな「努力しないで効果をあげる」のではないところに嬉しさを感じました。HACKS55の「プロジェクト費用対効果の計算式」は自分が陥りやすい誤りを指摘しており、非常に参考になり、オススメです。
ちょっとGoogle Calendarに頼りすぎなのが気になりますが…。
とにもかくにも、すぐに実行できることが敷居を下げてくれて嬉しいです。
印象的なくだり
それは、非常にシンプルなToDoの管理法。まず、終礼の時間、従業員に明日やらなければならない6つのことを書き出させ、重要度に応じて1~6つの番号をつけさせる。翌日の朝礼でそのリストを確認し、プライオリティの順番を物事を片付けさせる。その日の終礼では、やり残したことも含めて、再び6つのToDoを書き出して、重要度の番号を振らせる。ただそれだけのことです。
(下図)
昨日できなかったものも含めて、再度、プライオリティ順に並べる(P027)。
ToDOのプライオリティは、毎日変化しているということ(P028)。
なぜなら、ToDoにはダブルブッキングはないからなんです。いやむしろ、ToDoリストは複数持っているほうがいい(P033)。
そもそもまじめな人ほど、正しいことをやろうとする。運動をすることは正しいからということで、やろうとする。でも、人は正しいからという理由だけではなかなか行動できないものなんです。正しいことではなく楽しいことを。いわばちょいワルToDo。達成されやすいToDoを作るポイントです(P037)。
まず、ファイルを、フロー、ストック、リファレンスの3つに分類します。
フローは現在取りかかっているプロジェクトで、常に新しいファイルが入ったり、ファイルが更新されたりする部分。ストックとは、終了したプロジェクトなどで、滅多にファイルを更新しないもの。最後のリファレンスは、ストックしたファイルなどの中で、いつも参照するような情報。調査データやファイルのひな形、ウェブサイトの切り抜きコピーなどがこれにあたります(P093)。
ここまで読んでお気づきだと思います。集中力は、精神力の問題ではないんです。もちろん、精神力で維持する集中力もあります。しかしここでは、どちらかというと、子どもが遊びに熱中するときの熱中力を問題にしています。熱中力は、環境によるところが大きいのです(P099)。
(前略)、ファイルのネーミングルールに気を使います。「プロジェクト名+ファイル内容+日付」というルールで運用するのが一番間違いないようです。名前順に並べ変えると、プロジェクトごと書類に並び、さらに最後の日付によってアップデートされた順番に並びます(P162)。
コミュニケーションのフォーマット化という話でいくと、定番の文章を辞書に覚えさせることも、効果の高いハックです(P173)。
その業界を知るには、最新の情報を追うよりは、その業界が成立した歴史をたどるほうが早い。そこに、その業界の特徴も課題もすべてが詰まっている。現在の広告業界がテレビの媒体料で支えられている構造とその経緯を知ったほうが、なぜインターネット広告が「破壊的」なのかが見えてくる(P181)。
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