『パソコンとケータイ頭のいい人たちが考えたすごい!「仕組み」

『パソコンとケータイ頭のいい人たちが考えたすごい!「仕組み」』
NHK ITホワイトボックス

石井 裕 (監修)
城田 真琴 (監修)
松岡 聡 (監修)
増井 俊之 (監修)
根来 龍之 (監修)
夏野 剛 (監修)
澤 智博 (監修)

読後の感想
2011年の本ですが、子どもにインターネットのことを教えるのに再読しました。
当時の一線級の方の監修のもと、現在にも通じる概念が根本から書かれていました。

私個人としては歴史を学ぶ理由は、その進化の流れをつかむことにあると思っています。
パソコンやケータイなどのデジタル技術も同様で
どういった理由で必要なのか、を学ぶことによってこれから先も予測できるように
なるのではないかと思います。
必読の本です。

印象的なくだり

日本やアメリカ、中国などさまざまな国が、スパコンの処理速度を競っています。
それでは、なぜほかの国よりも速いスパコンを作ろうとしているのでしょうか?
それは、速いスパコンを持っているということは、国のありようにも影響を及ぼすからです。
速いスパコンがあれば、環境・安全・医療・エネルギーなど、人類にとって重要なさまざまな分野で、新たな発見や技術の開発が期待できます。
それが実用化されれば、単に科学が進歩するだけでなく、特許などの知的所有権や、それに基づいた新たな産業の創設につながり、自国民に大きな利益を生み出すことができるのです。
もし日本が自国でスパコンを持っていないと、それらの技術と利益を得られず、将来、日本の産業や私たちの生活にも影響が出るかもしれないのです。
スパコン自身が情報技術の進歩をもたらすと同時に、その上のシュミレーション能力の進歩が、科学・技術・経済の発展に不可欠なのです(P.048)。

事業仕分けの際に、こういった議論があったのでしょうね。
「世界一」を単なる名誉欲として捉えるような浅い理解ではなく、もっと先のことを考えてほしいものです。

ネットショッピングサイト「アマゾン」(Amazon.com)は、東京ドームおよそ2個分という広大な面積の倉庫を持っています。
その倉庫の本のコーナーには、さまざまな種類の本が規則性なく並べられています。
同じコーナーの中にIT関連の本に経済学の本、そして小児医学関連の本と、ジャンルがバラバラの本が保管されているのです。それは、この会社が「フリーロケーション」で在庫を管理しているからです。
(中略)
フリーロケーションでは、倉庫の商品が位置情報と連動するように管理されているため、倉庫の空いているスペースには、どんな商品も自由に置けます。これは、商品を補充するときに、整理して並べる手間を省くので、搬入時間の大幅短縮にもなります。
この方法は、これまで作業する側の人間に合わせていた在庫管理の常識を覆した、新しい仕組みと言えます(P.095)。

現在はさらにこの考えが進化していますね。

スポンサーリンク