『秒速で1億円稼ぐ条件』

『秒速で1億円稼ぐ条件』
与沢翼

あらすじ
著者はアフェリエイトで財をなした人物。オプトイン・アフェリエイトという成果報酬広告の「広告主」としてメールアドレスを集め、集めたメールアドレスに「アフェリエイター」として自動返信メールを送るという二つの立場を使い分けるスキームが成果報酬を生み出すというものでした。「広告主」としての支払いサイトは75日と長めに設定し、「アフェリエイター」としての支払いサイトを短めにすることで、先に「アフェリエイター」としての報酬分を回収して、「広告主」としての報酬を支払うというものです。これをして、経費の回収と利益の確定を数秒でおこなうことから、「秒速で稼ぐ」という訳です。

読後の感想
正直、与沢さんの言動やその後の様子から食わず嫌いの感はありましたが、実際に本を読んでみると、印象は大きく変わりました。
読む前は単なる大言壮語のアフィリエイターかなと思っていましたが、実際にはリップサービスが過ぎて、せっかくいい内容でもわざと言い方を悪くして炎上させている方なのではないかというものです。
例えば、組織を作るとかビジネスを作る、といった話は抽象的でまったく響かないのに対して、自分で仕組みを作ったり作業をやったりするくだりは非常に具体的で分かりやすいし、いい意味でのギャップはありました。
ただ、いま与沢さんの本を読む意味があるのかと問われると残念ながら、読む意味に乏しいと思います。この本は発行された2013年にしか価値がない本です。
なぜなら、確かに与沢さんは稼いだかもしれませんが、あくまでも広告主が出す広告費を手に入れたに過ぎず、何か新しいものを生み出したりした訳ではなく、新しい価値が増えたわけではないからです。当時はまだ問題にならなかった手法で、仕組みの穴をついただけであり、一番最初に始めたのはすごいとは思いますが、内容としては褒められたものではないからです。
というわけで、読む価値なしでした。

印象的なくだり

今あるものにフォーカスしていくしかないのは当たり前の話で、それをどう活かしていくかが問われてくる。めそめそと現状を嘆いているばかりでは何も始まらないのだ。
ビジネスの視界は、それをスタートさせた人にしか広がってこない(P.041)。

資金や人材、ツール、商材など経営資源がないのでビジネスが始められないと言い訳をする人がいるが、その「ないからできない」という言い訳をするようでは経験上、決定的に金儲けには向いていないと思う。
それよりも、今ある経営資源をすべて書き出し、使えるものから投入していくべきなのだ(P.066)。

私の場合、今日何をやるのか全部書き出し、それを上から順番に修羅のように処理している。
その書き出した項目に「終わった」という意味で斜線を入れるとき、なんとも言えない心地よさを覚えて気持ちが爽快になることを自分が一番わかっている(P.072)。

ブログを書くうえで、一番良くないのが、何が言いたいかわからない「あいまいブログ」である。
(中略)
ブログを「誰に」向けて書くかは思いつきやすいが、そこに「何を」書くのかが難しい。「何を」がわからない人は、とりあえず好きなこと、趣味、嗜好、得意なことを棚卸し、コンテンツになるようなものを探し出すことだ(P.156)。

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