『下流社会 新たな階層集団の出現』
光文社
三浦展
読後の感想
目に見えない周囲の状況を説明しようとするその心意気はいいのだが、いまいち何が言いたいのか伝わってこない。若干数字をいじってみた印象から抜けきれないのは残念。
結論を前面に出して描いていればもっとわかりやすかったのになぁ。
印象的なくだり
たしかに、インターネットは遠く離れた地域と瞬時にコミュニケーションがとれ、広い世界を縮小したという意味で「世界の縮小」をもたらした。
しかし同時に、インターネットは、人間が実際に出会う他者の数をもしかすると減らす危険もあり、実際に歩き回る行動半径という意味でのリアルな世界を縮小させる面があることも否定できない。つまり、もともと狭い日常の世界がさらに縮小する危険もあるのだ(P260)。