『グズをなおせば人生はうまくいく 問題解決編』
大和書房
斎藤 茂太
読後の感想
具体的に、グズの直し方と銘打って、グズを分類し(遅刻グズ、ボーッとグズなど)それぞれのケースに細分化し、それぞれの対処方法を考えている点に非常に好感が持てました。
ただ、残念なことに自分も含めてですが、原因やどんな風にグズなのか明確にわかっていればそんなに悩むこともないわけで、問題は「なんだかよくわからないけど、気がついたらいつも時間が足りない」という事実から出発するべきだと感じました。
基本的には皆、それぞれのグズの形が複合していることが多いので、あんまり方にこだわらずに読み説いていく本だなぁと感じました。
それから本の感想とちょっと離れるのですが、「本の内容を知っているかいないか」で区別するのではなく「実行しているかいないか」で区別すべきだと最近思い始めました。
その意味で言えば、知っているけど完璧にはできていないことが多いと実感させられる本でした。
印象的なくだり
マンネリの原因はひとえに、自分が仕事をすることに対する意味を失うところにある。いま一度、何のために仕事をしているのか、よく考えてみてはいかだろう(P.091)。
完璧主義者の人の多くは、他人に仕事を任せるのが苦手である。仕事にしろ、家事にしろ、人によってさまざまなやり方があって当然なのに、自分と少しでも違うと気になってしょうがない。ましてや、「自分よりとろい」ところが見えようものなら、「自分でやったほうが早い」と判断してしまう。なかには、人に任せておいて、途中で「やっぱり自分がやる」と取り上げたり、結局は一から自分でやりなおさなければ気がすまない人もいるほどで、周囲は協力する気も失ってしまうのだ(P.104)。
人は自信をなくすと、気持ちに余裕がなくなるために、行動力が衰える。そして、行動できない自分に苛立ち、ますます心のゆとりを失う。
この悪循環を絶つために、「やる気」が起きやすい得意な作業に没頭し、行動するなかで自信を回復させて、気持ちの余裕を取り戻す必要があるのだ(P.148)。
自分の決断がいい決断だったかどうかは、行動してみて初めてわかるのである。決断する過程で悩もうが悩むまいが、後になっていい決断だったと言えるかどうかは、結局は自分しだいなのである(P.196)。