『アルスラーン戦記「王都炎上」』

王都炎上
田中芳樹

読後の感想
最初に読んだのは確か中学生の頃だったと思いますが、今読んでも勧善懲悪、ご都合主義の文章には心酔できます(誉めてます)。
ある意味水戸黄門

それにしても完結していないとは思いもよりませんでした。

遅筆にもほどがあります。

浅くて薄い欧州知識を身につけたい方、もしくは水戸黄門のような予定調和が好きな方なら是非。

印象的なくだり
欲が深く、視野のせまい者はそういう。しかも、その種の人物が、つねに多数をしめ、つよい勢力をもつのが、世のつねである(P.171)。

タハミーネの沈黙が意味するものを、ルシタニア国王は理解できなかった。否定であるのか肯定であるのか、それとも何かを待っているのか。イノケンティス七世にはわからなかった。彼はそれまで単純な世界に生きてきた単純な男だった。善と悪は、夏の昼と冬の夜とのように歴然とわかたれていた。それによってはかりえぬるものもあるのだ、ということを、すでに若いとはいえぬ王は、漠然と感じとるようになっていた(P.215)。

逃げるネコ追うムスメ写真を撮るわたくし

相変わらずお忙しくすごしております。
決して忘れたわけではないのですが
ブログ更新の優先順位が(相対的に)下がっています。

家事、仕事、雑事がコンボで時間をもぎっていくので
なかなか自分のことを振り返ることができないのは良くないなぁ。
三国志でいうと陽平関の戦いみたいな生活を送っております(分かりづらい

ムスメの写真でお茶を濁すことに…

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まって~

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おいついた

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なでなで

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まって~

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おいついた~

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再び「まって~」(エンドレス)

『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら』

ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら
木村 康宏

読後の感想
もしドラの二番煎じだと正直思ってました(もしドラも読んだことないくせに…
ところが、読んでみてこのような先入観を持っていたことを恥ずかしく思いました。
ラーメンの描写が素晴らしい!!

著者は元船井総研のコンサルで、かつ相当のラーメンフリークだそうです。

ラーメンが食べたくなる描写はさすが。空腹時は注意。
身近な題材で「ああ、あんな感じのお店のことか」と誰もが頭に浮かべることができる点が、「素材選び」の段階で勝ってます。

印象的なくだり

自戒をこめて。自分には備わっているか?ん~。

「いいかい?成功する人には共通して三つの要素が必ず備わっていると言われている。それが、『素直』『プラス思考』『勉強好き』というものなんだ。
(中略)
「でも、勉強には二つの段階がある。一つ目の段階は『なぜ勉強が必要なのか?』がわかること。つまり勉強の目的だ。」(P075)。

改革が始まると必ず現れる抵抗勢力。
力や権力で押しつぶすのではなく平和的解決があるんだなぁと感心。
本能のくだりは「ほんとかな?」と一瞬思ったが、自分に置き換えてみて「そういえば」と思い当たる節もあり。

「そう。蟻の軍団を分析し続けた学者さんがいたんだ。すると、組織的な行動をするように見える蟻には三つのパターンがあるということがわかった。一つはよく働く蟻。もう一つは普通に働く蟻。そして最後の一つは怠け者の蟻だ」
(中略)
「そう、そして、その比率はどの軍団も二対六対二になっていた。『よく働く蟻』二〇%対『普通の蟻』六〇%対『怠け者の蟻』二〇%だ」
(中略)
「その学者さんは怠け者の蟻がいるから組織の効率が悪いんだと仮定して、怠け者の蟻だけをその軍団から取り除いてしまったんだ。どうなったと思う?」
「ということは、もし一〇〇匹なら、怠け者の二〇匹が取り除かれたわけだから、残りのは働き者二〇匹、普通の蟻六〇匹の、合計八〇匹ってことですよね?」
(中略)
「いや、それが違うんだ。残った八〇匹のうちの二割、すなわち一六匹が怠け者の蟻になってしまったんだ。そして、それに合わせて組織全体が『よく働く蟻』一六匹、『普通に働く蟻』四八匹、『怠け者の蟻』一六匹になってしまったんだよ」
「えー!?それって不思議ですね」
「じゃあ、逆に、よく働く組織にしたかったらどうしたらいいと思う?」
「え?んー、よく働く蟻を他から連れてきて、軍団に入れるとか?」
「おっ、正解にかなり近いね。答えは、上位二〇%の『よく働く蟻』をもっと働かせることなんだ。
「ええ!?」
「そうするとね、二対六対二の比率は変わらないんだけど、上位の二〇%につられて真ん中の六〇%がよく働き始めるんだ」
「するとね、下の二割が勝手に脱落するんだ。『こんな組織にはいられない!』ってね」
(中略)
「ただ、動物は生まれもった本能で、適合していない軍団には所属しないし、適合しなくなったら離れていくんだ。だから、当然のことだけど、よく働く蟻は、全体として働かない蟻の軍団には属さないだろうね」
(中略)
「逆に、いい人が次々と抜けていく組織があったとしよう。それはきっと、怠け者の二〇%が過ごしやすいような会社になってしまっていて、逆にやる気のある人たちにとって居心地の悪い組織になっている可能性が高いんだ」(P164)。

いまどんなマニュアルが必要なのかは、その組織がどのような立場にいるか、どのような立場を目指すかによって異なる、という当たり前のことを教えてもらいました。
(いま自分の所属している組織ではどんなマニュアル(形式知)が必要なんだろうか)

「これからリニューアルということになれば、新人スタッフを採用することになります。そのため、ベテランがより良い接客をするためのマニュアルよりも、新人がいち早く太刀屋という店にふさわしい仕事ができるようになるためのルールブックがすぐ必要です」という発表が行なわれた(P204)。

一番響いたくだり。

「求人は究極のマーケティングなんだよ」
(中略)
春香は驚いて聞き返した。マーケティングとはお客様に対するもの、売上を上げるものなのではないの?
「そうだよ。だって考えてごらん。モノを買うときはまだ少し気楽だ。価格にもよるけどね。でも、自分が働く場所、属する場所を選ぶときって慎重になるよね?」
確かに、たとえ一万円であっても、モノを買うときはすんなりと買える。一方で、会費が一〇〇〇円であっても、知らない人と関わりを持つということには慎重になる。逆にお金がもらえるアルバイトや、実質無料の大学のサークルだって選ぶのは相当悩む(P228)。

計画と無計画のあいだ

読後の感想
自由が丘にある小さな出版社ミシマ社の立ち上げ日記。
文面からヒシヒシと伝わる熱さ、情熱。
起業っていいことばかりじゃないけど、いいことが大きいな。
熱い人の周りには熱い人が集まるのだな。

大阪の紀伊国屋書店に営業に行き、お店の百々さんと若手書店員数人(ガッツ軍団)の方と居酒屋でのお話。

宴もたけなわを迎えた頃、突然、百々さんがガッツ軍団に向けて口を開いた。場がいっきに静まり返った。
「みんな、三島くんは言わへんけど、たぶん、いまめっちゃお金ないと思うねん。会社つくったとこで、絶対厳しいはずやねん。それでも、ワタナベ君連れて、高い交通費出して大阪まで来てくれはったんや。わかるか、この意味。みんな、絶対売らなあかんで。『街場の中国論』、絶対売ろな」
「はい!」
その場にいたメンバー全員が、口々に「ミシマ社の本、売りますよ」と明るく言ってくださった。
涙が出そうだった。いや、出てたかな。
目頭がぐっと熱くなるのを抑え、そのとき固く心に誓った。
絶対に絶対に、いい本にする。そして応援してよかったと思ってもらえる出版社にするんだ(P.100)。

印象的なくだり

出版社にかかわらずベンチャーならどこにも当てはまること。

ある程度の規模の会社だと、最低限「自分の仕事」だけこなしていれば許されるかもしれない。けれど、ベンチャーには「自分の仕事」など存在しない。世間では雑用といわれるものもふくめ、「全部」が自分の仕事になってくる。いってみれば、仕事は無限だ。代わってくれる人がいないのだから。休みもあってないようなもの。当たり前だけど大手と違って休日に休んでいたら、絶対に会社は回らない。ベンチャーで働くということは、日々を緊張態勢で望むということでもある。そして、それはものすごく忙しくて大変なことともいえるが、そう思わない人だけがベンチャーで働くのに向いている(P.075)。

働けど働けど(以下略)じっと手を見る。

何に対して自覚的であるべきかといえば、いま自分たちが精を出してやっている活動は、「かつて」よくできたシステムに乗っかってのものであるということに対して、である。あくまでも、現在乗っかっているシステムは、延命措置でしかない。そして、おそろしいことに、ぼくたちはそのシステムの上で、がんばればがんばるほど、「延命」に加担している。望むと望まざるとにかかわらず。それは、グローバル資本主義社会において、先進国に住む人たちが「豊かさ」を享受するとき、知らず知らずのうちに途上国から「搾取」している、その構図と大差ないのかもしれない(P.097)。

自戒の意を込めて

仕事がどんなに「面白い」ものであっても(面白いものであればあるほど、無我夢中になってやるので、効率は当然、がくっと落ちるものです)(P.200)。