『面白い本』

「面白い本」成毛眞

読後の感想
僕も割と一般の人よりかは本を読む方だと思っていましたが
この本に紹介されてる100冊の本のうち
知っている本は僅かに6冊しかありませんでした。
その位、超マイナーな本ばかりを集めた書評(最後の章は鉄板でしたが)です。

それでいて、どの本の書評もすごく面白い。
引き込まれる、読みたくなる、そしてamazonでポチってしまう(3冊買いました
なんせ、あらすじだけ書かれても全然話の内容が見えてこない本ばかりなのです。
好奇心が抑え切れませんでした。

著者の成毛さんは、ひたすら読む人。
読むと何を知っていて、何を知らないかが分かるという理由で
小学生のときに百科事典を寝る前にただひたすら読んでいたという
賢いんだか、なんなのかよく分からないエピソードの持ち主です。

そんな人が選んだ「面白い」本。
仕事に役に立つとか、そういったことは全部度外視して
ただ面白いものばかりを選んだというセレクトは
本当に役に立つことはない、ただただ面白いものばかりでした。

まえがきにとても共感した文章が載っていて
この本の言いたいことはまさにこれに凝縮されているので引用。

ノンフィクションで描かれるのは、おおむね極端な生き方や考え方だ。
野糞をすることこそがエコロジーであるという極端な世界観をもつ人を知ったり、数学の難問ポアンカレ予想の証明の舞台裏を知ったところで、自分の日常生活には何の影響もないし、何の意味ももたない。
しかし、一見無駄な、極端な知識を得ることで、自分が世界のどこに位置しているかはわかるようになる。
それはつまり、人間の壮大な知の営みの中に、自分を位置づけられるということだ。
自分という小さな個は、知の歴史という巨人の肩に乗っているだけの存在なのだ。
その「巨人」と対話をすること。
それが私にとっての読書なのかもしれない(P.Ⅳ)。

激しくお勧めの一冊でした。