「保留コーヒー」って知ってますか?

保留コーヒーのお話

100年以上前、イタリア・ナポリで始まった
「保留コーヒー」という伝統を知っていますか?

イタリア語では「カフェ・ソスペーゾ」
英語では「サスペンディド・コーヒー」となるこの言葉
なぜか日本語に直すと意味が不思議な感じになってしまいます。

この「ソスペーゾ(保留)」という伝統は
その日何かいいことがあった人が、自分のコーヒー代を
支払うときに、もうひとり分多く支払って「保留で」と
バリスタに伝えたことが発祥なのだそうな。
そしてバリスタはその保留の分だけホームレスまたはお金に困った人に
無償で(支払い済のぶんの)コーヒーを提供するという仕組みです。

facebookのページはこちら

この取み組みがいいなぁ、と自分が思う理由が三つあります。

一つ目は、お金を出す人がとても出しやすいこと。
いきなりコーヒー一杯分のお金を財布から出すのは
出す方も、出させる方も難しい。
でも、自分のコーヒー代を支払うついでにもう一人分、というのは
前者に比べてとっても簡単で気軽。ハードルが低いということは素晴らしい。
ハードルが低いということは真似しやすいし、広まりやすい。

二つ目は、お金を払う人が完全にお店を信頼しているということ。
逆に言うと、信頼していないと「保留で」なんて言えない。
信頼がある制度は定着しやすいし、継続しやすい。
きっと信頼の根拠は、自分もそのお店でコーヒーを飲んだことなんだろうね。

三つ目は、お店はお客さんから信頼を受けてお金を保留しているので
無言のうちに、着服したりして裏切りにくくなるような心理的かせがかかっていること。
しかも、自然に、無意識に、というのがポイント。
別にお客さんはこういった効果を意図していないにもかかわらず、ね。

考えれば考えるほどよく出来た制度だなぁと思います。

「保留コーヒー」が別の形になって広まればいいなぁ。
金沢市内で「保留」できるところ探してみよっかなぁ(スタバ以外で