『チェーンストアの常識』

『チェーンストアの常識』
林薫

読後の感想
そういやチェーンストアに勤めてたんだった(笑

ブラックボックスになっているリベートのところとか
本当かどうか分からないけど、知識として役に立ちそうです。

印象的なくだり

 2007(平成19)年11月に施行された改正都市計画法による規制で、出店できる立地の制限が強化された。延べ床面積が1万㎡以上(店舗面積換算では7000㎡以上)の店舗の郊外出店はシャットアウトされることになった。規模の標準化の追及は、さらに困難さを増すことになる(P.16)。

 MDの内容は、品揃え、棚割に始まって仕入れ、価格設定、在庫管理、販売促進、広告宣伝、販売と多岐にわたる。いわばチェーンストアの”エンジン”であり、言い換えればお客に対して「適品(お客の欲しい適正な商品)・適量(お客の欲しい適切な容量)・適価(お客が納得する適切な価格)・適時(お客が欲しい時に適切に商品を提供する)」という一連の商品化サイクルを推進することである(P.92)。

 メーカーと問屋、小売業との取引には、販売力に応じた2種類の奨励金が支払われる。「リベート」と「アローワンス」である。前者は取引高に応じて支払われる謝礼、後者は特別な販売促進行為に対する援助金である。
 ただ、リベートには取引高の基準設定にあいまいな部分が多い。中でも問題視されているのが、特売時の値引損失分を補てんする販売リベートと呼ばれる利益補てん金。特売の効果がきっちりと把握できてなくても、要求されるままに自動的に支払われ、結局メーカーの持ち出しとなる(P.102)。

 大型店にとって、この中で最も重い足かせとなるのは都市計画法である。2007(平成19)年末の改正によって、出店にはよりいっそう厳しい規制が課せられることになったからだ。
 出店可能な地域は、商業地域、近隣商業地域、準工業地域の3つに限定されることになり、それ以外への出店はできない。準工業地域も、中心市街地活性化法との兼ね合いで規制を強化する地方自治体が多く、実際の出店はかなり困難である(P.204)。